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2人分の切符を買って、ちょうどホームに入ってきた電車に乗り込む。
行き先なんて、確認する必要はない。
遠く、遠くへ。
とにかく遠くへ。誰にも知られない、邪魔されない場所。
そこが、私達の行き先だ。
私達が乗った車両は、運良く私とまふくん以外いなかった。
とりあえずまふくんを座席に座らせると「ごめんね。重かったでしょ。」と幾分か顔色の良くなった彼がこちらを向いて笑っていた。
『…まふくんは怖くないの?』
つい、ずっと思っていたことを聞いてしまった。
だっておかしい。
人を殺したサツジンキと誰が一緒に死のうと言うのか。
私だって、自分が怖くて仕方ないのに。
「怖くないよ。君と一緒に、誰にも邪魔されず死ねるなら本望だ。」
また彼は、優しく微笑んだ。
「…なんか言ってくれないと結構恥ずかしいんだけど。」
“あっごめんね”
そう言おうとしたとき、まふくんの携帯が鳴り始めた。
『あっ…出なくていいの?』
まふくんはスマホを出して一瞥したあと、電源を切った。
「親から。
でももう家族は捨てたから。あ、もちろんクラスの奴らもね。」
“あーでもクラスメイトの連絡先なんて持ってなかったな”なんて、困ったように笑う彼に、ブワッと涙が溢れてきた。
「えっえっどうして泣くの。なんか嫌なこと言っちゃった?」
慌てるまふくんが面白くて、泣きながら笑うというかなり奇妙な私が出来上がってしまう。
『私っ…怖いよ。あの子を殺しちゃった自分も、これからどうなるかわかんないこともっっ…今更になってなんで殺しちゃったんだろうって後悔してる…怖い、怖いよ…まふくんっっ…』
小さな子供のように泣き喚く私を、まふくんはぎこちなく抱きしめた。
「大丈夫…って確信は持てないんだけど。僕は楽しいよ。やっとこの狭い狭い世界から逃げ出すことができた気がして。
それに、人殺しなんてそこら中にいるじゃんか。ネットで集中攻撃を仕掛ける奴もいれば、命を軽率に考える奴だっている。君は、」
―――君はただ、そんな奴から自分を守るために肩を突き飛ばしただけなんだ。
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もな(プロフ) - 柊柊さん» わ！返事返してくれてありがとうございます！学校から帰ってきてびっくりしました…､それとホントに初めてなのってくらい素敵な小説だったので、もっと自信をもってください‼︎‼︎では、次の作品も楽しみにしていますね。 (2021年10月12日 18時) (
レス) id: e231a59855 (このIDを非表示/違反報告)
柊柊(プロフ) - もなさん» はじめまして!作品を読んでくださりありがとうございます!初めて書いたのでもうぐっちゃぐちゃだったと思うのですが…w楽しんでいただけたならすごく嬉しいです。次の作品も精一杯書かせていただきますね!よろしかったらまた覗いてやってください! (2021年10月12日 16時) (レス) id: 06641ec593 (このIDを非表示/違反報告)
もな(プロフ) - 初めまして､あの夏が飽和する。見させていただきました。とても､面白かったです。私自身、あの夏が飽和する。が好きで、小説も買いました。だから、この小説を見つけて､すぐ読みました。また､次の小説も楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (2021年10月11日 19時) (レス) @page18 id: e231a59855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊柊 | 作成日時：2021年10月10日 21時
