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「おっちーいっけー！！！」
「おっち〜！！！きゃぁかっこいい♡」
試合がいい感じに盛り上がってきた所で
なぜか私に黄色い声援が届いている
うん、なんで？
翔平くんいわく、
あの初めの1球で落ちたらしい
翔平くんに落ちるなら分かるけど
うちに落ちるのは可笑しい
とりあえず最終回がんばろ
バントを決め、ランナーを進ませ自分はアウト
打席に入る前に翔平くんがタッチを求めてきた
「ナイスバント〜。
僕ここで試合決まると思ってたんだけど？」
「いえーいありがと〜
いや〜ここは翔平くんに決めてもらおうと思ってね」
「それはAちゃんでも十分できたと思うけど？」
「いーから美味しいところ持ってけ泥棒〜」
「なにそれ(笑)
んじゃAちゃんのお望み通り
いっちょかましてきますか〜！」
翔平くんのラストで勝つのがとても気持ちいいと
昔から知っている
ピッチャーでも、バッターでも
輝く君が1番かっこいいから
そんな翔平くんが私に手を挙げた時
同じ気持ちでハイタッチして送り出す
「いけ！！！翔平ーー！！」
ムンっと力を入れ、打たれたボールは
外野の頭を越えていった
片手を上げガッツポーズ
ほら、かっこいい
一周して戻ってきた翔平くんは
私に手を差し出した
「どう？期待通りだった？」
「めっちゃ最高」
そう言ってグータッチをした
試合の結果は赤チームの勝利
クラスの仲もだいぶ深まったような気がする
教室に戻る途中、翔平くんに呼び止められ
一緒に行くことにした
「ねぇさっきのあれ、翔平ってさ」
首を傾げる
「いやさ、いつもくん呼びだから背筋ゾワッてきた。
僕たちそろそろ呼び捨てでいいんじゃない…かなって思って」
確かになんでかお互いそう呼ばなかったんだよね
「……A、ダメ？」
高い背を丸め下から覗き込む翔平
ゾワゾワ……
確かになんかむず痒いｯ
Aだって、、、なんだろこの感覚…///
「僕はAって呼びたい」
手をそっと握ってきて少しびっくり
触れることなんていつもの事なのに
呼び方ひとつ変わったくらいじゃ
なんとも思わないはずなのに
いつも以上に翔平くんを意識してしまう
「………A？」
これ絶対、顔赤いやつだ。バレたくないな
「す、好きに呼んだら？
今更遠慮なんて「A」…なっ///」
ぎゃぁ呼ぶなっ//
「かわいい」
「え」
「ん？」
「今…ぇ、？」
「なに？」ﾆﾔﾆﾔ
イタズラっ子のように笑う翔平に
少しだけドキドキした
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