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キラキラした顔で見てくる彼は
今の私とは正反対。
「ずっとキャッチャーやってないから不安が…」
「大丈夫。僕を信じて!」
少し不安が残るが
うん。と頷き、私は構える
「Aちゃーんいくよ〜!!」
次の瞬間、吸い込まれるようにボールがミットに入っていた
パシーンと良い音がいつまでも耳に響いて心地良い
この瞬間、私を覆っていた暗い部分が
吹き飛ばされたような感覚がした……翔平くんすごいや
「もっかいもっかい!!」
「あ!うん!!すごくよかった!!お願いします!」
しばらく続けていくと
左手にジンジンと来るものがあった
これこれ、、、これだよ。
なんとも言えない高揚感。
ミットを見てニヤニヤが止まらない
そんな様子を見た翔平はAに駆け寄った
「翔平くん、やっぱ野球好きだ」
「何言ってんの?
Aちゃんが野球嫌いになるわけないじゃん。
試合に出れなくたって、キャッチャーやれなくたって
野球してるAちゃんは凄くキラキラしてるよ!
それに良く男子についてこれるなって思う!
でもさすがに夜は練習出来てないみたいだけど(笑)」
これは私を元気付けようとしてくれてるのかな…?
「てかさ、僕はAちゃんが使えないなんて
これっぽっちも思ってないから自信持って!!
調べたんだけど、男女混合の大会があるらしくて
もしかするとAちゃん出れるかも!」
「それほんと…?」
「うん!僕が出たいですって監督に頼んじゃった(笑)
でも県内じゃないから、
親の許可取ってからって言われちゃった〜くそ〜」
「翔平くんやることむちゃくちゃだよまったく!」
「だって、、Aちゃんとまた公式に出たいから。
僕たち最強のバッテリーだもん。
それに先輩たちぎゃふんって言わせたい」
翔平くんにも、聞こえちゃってたんだ
私が先輩たちに色々小言言われてること
「なにさあれ、Aちゃんの実力も知らないで
ベラベラムカつく。リトルの時めっちゃ凄かったのに!」
「今はほら、やっぱ男子のほうが力は上だから
しょうがないよ〜」
なんで自分は女の子なんだろうって毎日思う
男の子だったら胸張って堂々と翔平くんの隣に立てたのに……
「とりあえず大会出れたら
僕はキャッチャーに指名するから
練習終わり居残りしようね!
僕、成長してるから!(ニヤ」
「いつも見てるから分かってる(笑)
てか指パックリしたでしょ?あとで薬塗ってあげるね」
「さすが!Aちゃんの観察眼すごい!」
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