私も一緒に…！すりー【男性声優】

ハウス116 ページ19

「毎日毎日、私がいるから
パパは帰ってこないって
他の女と遊んでるんだわって
あなたを役者になんて
させなければよかった。
レッスン代も高かったのに
あの人は全然協力してくれない
お前がやらせてあげたいって
言ったんだから、お前がやれよって
毎晩喧嘩して、いつの間にかパパは
帰ってこなくて……

でも、私は仕事楽しいし、大好きだから
……辞めたくない…」

言い出したら止まらなくなり
思ってることを吐き出す

克(家庭内問題……いつも完璧にこなすのは
役者にして良かったって思ってもらえるように。そして、お父さんが帰ってくるようにって
ことなのか？てか、お母さんって
あのマネージャーだよな…)

「もう、ママもパパもきらい。
友達も信じない！人なんてきらい！」

克「じゃーさ、俺と友達になろう！」

「……え………今、なんて……」

克「俺も人嫌いやねん(笑)
嫌いなもん同士仲良くやろうぜ！」

「でも、小西さんいろんな人と
お話してるじゃないですか」

克「あれは、あぁー……大人の付き合い？
大人になればわかるってー」

がしがしと頭を撫でられる
小西さんがしゃがんで
目線を合わせる

でも、私は合わせない

ほっぺをぐいっとつかまれ

克「ほら、目をみて！俺は大丈夫だし！
お前、一生懸命やってるってわかる！
家でそんなことがあっても
お前は演技してる時
全然でねーし、今日は今まで溜まったもんが出ちゃっただけだ！
俺を信じてみなよ、な？」

なんだか、小西さんの言葉で
涙がでて止まらなくなった

克「よしよし、泣いたな！
全部流しちまえ、んでスッキリして
残りの収録撮っちまおうぜ(笑)」

ニコって笑いながら
私のほっぺをぶにっとつぶす

克「ぷっwブッサイクやん(笑)」

「ぼ、にち、さん、いどい！
(小西さんひどい)」

しばらく小西さんは私の顔で遊んでいた
その頃にはすっかり涙も止まっていた

克「よし、泣き止んだな！今日から友達な！
よろしくA！
俺のことは、そうだなー…
よし、こにたんと呼ぶといい！」

「こにたん？」

克「そう！こにたん！なんか近づいたなって
思うだろw？それとな、お前の周りにいる
声優さんたちはみんないい人だから
もちろん監督とかスタッフもいい人。
みんな、いい作品を作りたいから
時には厳しく言うよ？」

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