心 Distance 6 -ｺﾚｶﾞ 侍 ﾄｼﾃﾉ -

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本当なら今すぐにシャワーを浴びたい

この服も全部捨てて、あの感触も忘れて

全部洗い流して、無かったことにしたい




そんなことが出来るわけもなく


トレーナーを荒く投げ捨てた


ドガーンと音が響いたと同じタイミングで牧原さんが
ロッカーにやってきて驚いた声を上げた



牧原「うわっびっくりした！？なにした？大丈夫！？」



私は何事も無かったかのように話を合わせた



「やだー！恥ずかしいとこ見られちゃいました！！
なんか虫なんですかね〜？
モゾッとしたんで急いで脱いだんですよね〜」


牧原「まじ！？見てあげるよ！ってええ！？濡れてるし！？」


「飲み物飲んでたんですよ(´▽`)ｱﾊﾊ
虫もイジワルですよね〜。
もうそれは今日着たくないんで
袋にぶち込んで持って帰ります笑」


牧原「へんな虫だったら怖いもんね:(´◦ω◦｀):
その方がいいよ！うん！！着るのある？大丈夫？」



「持ってきてないんで
もうこのままでいいかなって(笑)」


牧原「でもドーム寒いよ？？
スターティングじゃないし、身体冷えちゃうから
服は持っていって方がいいと思うな🤔
スタッフさんに聞いてみる？？」



「いや、大丈夫です👍」


そう？(；'ω'∩)……なんて心配させてしまった。
申し訳ないです、牧原さん………🙂



落ち着け、深呼吸。














＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿よし。



ベンチに戻ると
朗希くんが「大丈夫ですか……？😥」って
聞いてきてくれたんだけど
「大丈夫って？さっきのは話してただけだよ〜笑」
と誤魔化した。



良かった、見られてはないみたい



試合が始まると私は
ムネくんのバッティングが不調なのを心配して
データを見ていた

しかし、快音が響かない

さすが韓国のエース"日本キラー"と言われるだけある


どこかで流れを変えなきゃ………………ん？


視線を感じた

相手ベンチから、ジッと見られている気がする


"お前出ないのかよ、出てこいよ"


そんなふうに言われてるみたいで
ｿﾞﾜｯｯと先程のことが脳裏に浮かぶ

……今は試合中なんだから集中しないと………






「A」

「(ﾋﾞｸｯ)っなに、？タブレット？……あの…翔平？」

「(ｼﾞｰ)」

翔平は立ち上がると自分のトレーナーを私に渡した



「貸したげる。」


「え、ぁ、、ありがと、」




彼の香りが私を包むとモヤモヤが晴れていく感じがした



少しホッとした表情を浮かべると
それに気づいた翔平もホッとした様子だった

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