心 Distance 6 -ｺﾚｶﾞ 侍 ﾄｼﾃﾉ -

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明日はいよいよ中国戦＿＿＿WBCの開幕である


早く寝ないといけないのに……寝れない

こうなるのは久しぶりだ

短期決戦というものを初めて経験する

負けたら、エラーをしたら、圧に飲み込まれたら……など
色んなことを考えてしまう




「はぁ………どうしたものか………」



スマホを見るとオリバーからLINEが入っていた

時間を見ると、ほんと数分前

オリバー・カーター寝れないあなたへ。
ドア下、要チェック。



「ドア下？」

ドアを開け、斜め下を見ると袋が置いてあり
中を見ると、ステンレスボトルと手紙が入っている


" 安心出来る場所に1度行ってみるのもいい "


……………オリバーって本当に優秀な人だ。よく分かってる。


ボトルの中は、私の大好きなホット蜂蜜ジンジャーだった。



「すーはー……蜂蜜のいい香り……」



私はそれを持って、
ホテル内にあるトレーニングルームに向かった


ベンチプレスに横になり、好きな音楽を流す


P!NKの「ジャスト・ライク・ファイア」


前にジョンが『この曲はAだね〜』と言われ
それからはこの曲に勇気を貰っている




落ち着く場所、勇気の貰える曲、好きな飲み物


それでもまだ眠くなることはなかった



ヌ『あれ?A?』


体を起こすと、ヌートバーが不思議そうな顔でやってきた

『たっちゃんどうしたの？』

ヌ『それはこっちのセリフだよ？
女の子がこんな時間に危ないよ〜』

『ホテル内だから大丈夫だよ(笑)
……なんか寝れなくてさ。もしかしてたっちゃんも？』

ヌ『ドキドキするから、
散歩しようと思って歩いてたら音楽が聴こえたんだ』

たっちゃんも緊張してるんだよね
初めての外国人選手だし。


『不安なこととか困ったことは無い？大丈夫？』

ヌ『言葉が通じないのは少し不安だけど
みんな優しいから気にかけてもらっちゃって
すごく嬉しいし、助かってるよ』


『そっか、それなら良かった。
たっちゃんはもう同じ釜の飯を食う仲間だもんね(笑)』


ヌ『同じ釜？どういう意味？？』


『そうだな〜…兄弟みたいな、そんな感じ』

ヌ『翔平も兄弟って言ってくれた。
すごく嬉しかった、そっか俺たち兄弟！！😄』


『そ、だからそんなみんなと楽しく野球をやろう。
世界一もひとつの目標だけど
未来の子供たちのために、
野球は楽しいって知ってもらおうね！』


ヌ『うん！(≧▽≦)』


ヌートバーと話して肩の荷が少しおりた気がした

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