コンタクトケース【青】 (ページ9)

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気付けば、4つ持っていたお菓子の入った紙袋は残り一つになっていた。

大事なことを後回しにしてしまうのは私の悪い癖。

とうとう正門さんに挨拶しなくてはならない。
もちろん、他のご近所さんに挨拶するのも緊張したけど、それとは比べものにならないくらい緊張する。

私の部屋から一つ挟んでお隣さんの表札のない部屋。
ここが正門さんの部屋だ。

「、、、よし！」

勢いでインターホンを押すと

「、、、はい」と無愛想で声の低い男の人が出た。
きっと警戒してるのだろう、無理もない。

「あ、夜遅くに申し訳ありません。昨日2つ隣に引っ越してきた“白坂スミレ”と言います。急で申し訳ないのですが、ご挨拶できればと思って、、、」

正「あっ！、、なるほど、！すみません今開けますー」

よかった、警戒はされてると思うけど、普通の優しい声に戻った気がした

ガチャ

しっかりチェーンがついたドアの隙間から
不安そうに覗く正門さんに思わず笑いそうになる

正「はぁーい」

「あ！こんばんわ！あの、改めまして、2つ隣に引っ越してきた白坂スミレと言います。初めての一人暮らしなので迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願い致します！」

正「白坂さん、、よろしくお願いしますー！あ、僕、正門って言います、、」

「正門さん、よろしくお願いします。あっ！これつまらないものですが、よかったら、、」

正「え、いいんですか？すみません、なんか。ありがとうございますー！」

「いえいえよろしくお願いします、！」

正「よろしくお願いしますぅー」

「では、失礼します！」

軽くお辞儀をすると、自室へと足を運ぼうとする。
これ以上正門さんを見ていると罪悪感で押し潰しそうになるから、足早に帰りたかった。

正「、、、、まって」

急に正門さんに声をかけられて驚いて振り返る。

「、、、はい？」

さっきまでチェーンがかかっていた扉は
いつの間にか全開になり、外に乗り出すような体制で私に話しかける。

正「、、シラサカさん、知らないんですか、、？」

「？？？？」

きっと自分のことを知っているか聞きたかったのだろう

正「あっ、ごめんなさい、やっぱ何でもないです。すみません、変なこと言うて。」

「、、いえ全然？」

「じゃあ、おやすみなさい」

正「あ、おやすみなさいー」

設定上、正門さんのことは知らないふりをしなくてはならない。少し寂しそうな顔をさせてしまったのは気のせいか、？