コンタクトケース【青】 (ページ7)

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ピピピピピーー

すみれ色をしたスマートフォンが鳴るが、両手にたくさんの荷物を抱えた私は電話を取れずにいた。

春「Aー。スミレの携帯なってんぞ」

「あーうんー誰から、？ちょっと今無理、、重すぎて、、」

春「発信先、、“お父さん”！？！？」

「は！？、、うわ誰かわかった」

春「え、、お父さんってだ、、」

「もしもし！なんでこんな名前で登録してるんですか！！、、鴨山さん！！」

鴨「あら察しが早いわね。だって正門くんにバレたら危ないじゃな〜い？」

「そうですけど、、、」

鴨「どう？引越し順調？」

「いまちょうど春樹と荷物運び込んでました」

東京都内のマンション。
今日からターゲットの正門良規の2つ隣の部屋に越してきた。
理由はもちろん接触の為だけど、、。

鴨「良い部屋でしょ〜？撮影期間中泊まるだけなのにこんな豪華なマンション借りれるなんて正門くんすごいわね〜」

「ここに住むなんて考えられません、、」

鴨「何言ってんの！今日からはAちゃんじゃないの！実家がお金持ちプラス自分もばんばん稼いでるスミレちゃんよ？」

「たしかにそうですけど、、っていうか、何ですかこの部屋！！」

鴨「あ！！気に入ってくれた？鴨ちゃんプロデュース、理想の女の子の部屋〜！」

「、、なんか全体的に白すぎるし、、クッションとかふわふわだし、、変なオブジェにお花まで、、しかもめっちゃくちゃ良い匂いします」

鴨「うんうん、ナチュラルなんだけど〜お嬢様感もありつつ〜良い部屋でしょ？」

「えぇーー、、」

ピンポーンお届け物でーす！！

「あ、はーい！」

鴨「、、服も届いたみたいね！」

「え、服！？」

鴨「ちゃんと正門くんが好きそうなの選んだからねぇ〜。じゃあグッドラックよ！」

「ありがとうございますぅ、、」

とどいた段ボールを開けると
ダボダボのパーカーや短パンなどのカジュアルな服から
ワンピース、靴やアクセサリーも入っていた。

「鴨山さん手厚いなぁ〜(笑)」

まったく私好みではない服たち。
この仕事やらなかったら着ることはなかったのかと考えながら段ボールを漁る。

「あ！これ可愛い、！！」
中に入っていたファーでできた丸いふわふわのピアスに目が止まる。

このピアスに合うような服は一枚も入っていないのにどうしてだろう、。

きっと鴨山さんのことだから、間違えたのだろう
「やだ！！また間違えちゃったわ！」と
恥ずかしそうにしている鴨山さんを思い浮かべクスッと笑った。