コンタクトケース【青】 (ページ2)

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〈1年前〉

朝8時
東京大都会の高層オフィスビル
裏口から業務用エレベーターに乗り地下へと降りる。
久しぶりの仕事場だ。

「おはようございますー、、」

鴨「おはよ、、って“アイ”ちゃん！？ひさしぶりー！元気だったぁー？」

入ってすぐ出迎えてくれたのは独特な口調の陽気なおじさん、、
ではなくこの会社の社長鴨山さんだ。

「お久しぶりですー(笑)鴨山さん、
私もう“アイ”じゃなくてAです、A！」

鴨「あは、そうだったわね(笑)もう都築悠助の件から3年くらい経つのかしら、、早いもんねー」

「忘れたくても忘れられませんよ、、」

鴨「そう？でもAちゃんに適任だったでしょ？アイ役。思ったよりも都築もコロッと惚れちゃったわね、、(笑)」

「なんか1人の人生奪った気分でした、、」

鴨「んー、、そうね残酷だけど、これがAちゃんや私たちのお仕事だからね〜。最近、都築も仕事増えてきてるみたいよ？安心しなさい？」

「、、、、」

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私たちの仕事は芸能界の「裏」で働く
通称【スキャンダル屋】だ。

芸能人にとって命取りともなるような
不倫、浮気、熱愛、などのスキャンダルを依頼によって
意図的に作成する会社だ。

依頼理由は様々。
芸能事務所から売名の為に依頼が来ることもあれば、
ドラマを伸ばしたいテレビ局が、他局のドラマの視聴率を下げるために主演俳優相手に依頼することもある。

依頼が来たら、ここで働く社員がキャストとなり、対象となる芸能人に近づく。
恋人や愛人などある程度関係ができた所で、週刊誌の報道部が記事にあげる。

スキャンダルを作り上げた後は、俳優の前から消息を断ち、それと同時に大金が入る。

要するに私たち社員は、芸能人を騙し、スキャンダルを撮るために動く役者なのだ。

私だってやりたくてこの仕事をやっているわけではない。
ここで働く人はみんなそれぞれ事情を抱えている。

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鴨「そんな暗い顔してるところ悪いんだけどさぁ〜、今日わざわざ呼んだのは理由があってね、？」