メモリーファインド

18.墓 ページ19

「ボクタチと同じ匂いがするゾ」

…………は…?
意味がわからない。何を言いたいんだあの人形は…?

そんな事を考えながら僕はなぜか走っていた。逃げたかったんだ。理由なんて分からないけれど。

ーー♪〜〜♪〜♪〜

…?歌?どこからか歌が聞こえてきた。どこか懐かしい気がする歌。いや気がするじゃない。僕はどこかで聴いたはずだ。それがどこなのかは思い出せないけれど。

僕は声がする方へと無我夢中で走った。懐かしい"それ"を思いながら。


ーー


声がする方へと進むと…そこには墓があった。誰のかもわからない墓。かなり古いのだろう。文字が薄っすらと見えるが何と書いてあるのか分からない。
墓に触れてみるとなんだかガタガタと音がする。古いからなのか？

……いや違う。薄っすらと墓の下から何か見えるんだ。僕は墓を押してみた。何かがありそうな気がしたから。

そして墓を動かし終えるとそこには階段があった。
僕は階段を降りた。この奥へと行かないと行けないとそう感じたから。


全ての階段を降りるとそこには何もなかった。…いやいる。誰かが。暗くてあまりよく見えないけど誰かがいるのは分かる。


「っ!?」

ひっとも聞こえたその声は高くてどこかで聴いたことあるような声だった。
そして僕は

「君だよね？僕を呼んだのは」

少女に笑顔を向けた。

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