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出会い ページ6

私には付き合って3年の彼氏がいた。


今は22だから、19の時から付き合っていることになる。




成人式や、お正月、クリスマス、誕生日、、


大事な記念日はもちろん、ほとんど一緒に居て、会いたいと電話をすれば飛んで駆けつけてきてくれた。











出会いは大学の授業で席が隣になったことだ。



この日に限って教科書を忘れてしまった私は、先生の言う事を一字一句逃さず聞き、大事な事はすべてノートに書いていた。


すると、教授から


「オホンッ。では、この問題。Aさんに解いてもらおうかな?」




一生懸命授業を聞いているのが裏目に出て、指名されてしまった。


しかし、教科書はない。



素直に教科書がない、と言おうとした時、隣に居た彼に、教科書をすっと出された。



びっくりして隣を見ると、早く、と言うように目で訴えていた。


ありがとう、と心の中でお礼を言って問題に答え、それからずっと、授業が終わるまで教科書を2人で見た。




授業が終わってから、改めてお礼を言った。




A「あの、教科書ありがとうございました!」

「良いんだよ。頑張って授業聞いてたみたいだから、何だか可愛くてさ。もっと早く教科書見せれば良かったんだけど...」



そう言って手を頭の後ろに回して、照れるように言う彼に、どことなく惹かれてしまっていた。




それから1年が過ぎようとしていた。




本気で恋をしたことのない私は、この気持ちが恋なんだ、と気づくのに大分時間がかかった。




しかし、その気持ちに気づいてしまうと友達のように過ごしていた日々を、当たり前に過ごせなくなっていき、楽しかったことが緊張するもの、に変わっていた。



すると、そんな私を見ていた彼が



「...俺と居るのってそんなに緊張するものなのかな。Aさんは、頑張りすぎるところがあるから、せめて俺の前だけでもリラックスして欲しい。」



カフェで、私がミルクティー。彼がコーヒーを飲んでいた時だった。


鮮明に覚えている。



彼にそう言われ、私の口からは無意識に

「好き」

の二文字が零れていた。




言ってしまったことはもう取り返しがつかなくて、


私は焦りに焦って



「い、いや!違うの!違う!こ、ここのケーキおい...」

「何だ。同じじゃん。」



美味しいよね、と言う前に、彼に遮られる。



「俺も好きだよ。」



それから、私たちはお互いびっくりした顔で見つめ合い、笑いあった。






「同じだね。」






って。

別れ→←優しさのコーヒー



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マーメイド - 何回も読みたくなるほど、素晴らしい作品で私のお気に入りです!!皆が主人公ちゃんを可愛がっているのが伝わってきます♪更新楽しみに待ってます!!身体に気をつけて頑張ってね(^o^)/応援しています(^^) (2016年11月10日 23時) (携帯から) (レス) id: fa8cf9b19a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みほさん» コメントありがとうございます(´;ω;)本当に嬉しいです。こちらの作品でも、よろしくお願いします...!! (2016年8月2日 15時) (レス) id: b5e19929d5 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - いつも楽しく読んでいます♪応援していますね (2016年8月2日 12時) (レス) id: df107de492 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - これからも頑張って下さい! (2016年8月2日 12時) (レス) id: df107de492 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2016年8月1日 21時

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