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なんぞや7 ページ9

『私は悔しいと思ったことがないんです。親に言われた事を従順にこなしてきただけだから、悔しいとか吹っ切るとかわからないんです……』


「………………」


『だから、負けたのに悔しいと言いながら吹っ切れたように笑う彼らが不思議なんです。』


「………………」


どうしよう、先生がなにも言わない。とてつもなくくだらない事を聞いてしまったから呆れられているのだろうか、どうしよう。


「橘さん、それは、さ、羨ましいんじゃないの??」


『羨ましい……』


やけにしっくりとくる言葉だった


「そう、羨ましいの。貴方はレールを歩いているだけで競う事をしてこなかったんじゃないの?もし、していたとしても無意識のうちに勝っていたから悔しいがわからないんじゃないの?」


『先生?ここに入るのもテストも、成績を競ってきましたよ???』


「うーん、そうなんだけど、橘さんその結果に満足してる???満足があるなら悔しいはわからないんじゃないかな。」



『そうですか、結果を出せなかったら悔しいんですね。ありがとうございます、少しスッキリしました。』


「お役に立てたようでなによりだわ、私も高校でバレーしてたから彼らの気持ちはよくわかるのよ、決勝で負けるのはとても悔しいの。あ、先生の現役時代の話聞いてくれる???」


『いえ、次移動なのでまたの機会にお願いします』


「じゃあ今日の委員会後ね!」


『……失礼します』

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作者名:ドル | 作成日時:2018年11月12日 8時

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