海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇48.静かな夜に。 ページ8

.



.








千秋｢…じゃあ、明日。必要な荷物持っておいで？｣


｢…うん｣


千秋｢じゃあお休み。今日はゆっくり休んでね。｣









.









幸せだと思った。


こんなに、私を大切に思ってくれている人がいるなんて。





.






結局、千秋の提案に甘えさせてもらうことにした私は、


明日、わずか50mの引っ越しをすることに。







.









.








｢ただいまー…｣








誰もいないと分かっていはいるけど。


ついつい言ってしまう。







.









ずっと、






おかえりって言ってくれる環境が恋しかったのかもしれない。


夜になったら一人でここに戻ってこなきゃいけないから。





どれだけ騒がしい、楽しい日を過ごしても、


静かで、くらいこの部屋に、戻ってこなきゃいけないから。







.









“夏向から聞いた。あいつ、Aのことすげぇ心配してる。”








一番耳に残っているのは、


結局その言葉で。







.








幼馴染みだから、


10年近く一緒にいるから、情が移るのはあたりまえなのに。









彼の言葉に、


なにか特別な意味が込められていて欲しいって、


そんな期待ばかりが頭をかすめる。







.









誰もいない家の電気を消して、


一人、ベットに潜る。






こんな生活とも、今日でさよならだ。






.


.

◇49.Blue&White→←■47.君のSOSは僕が拾おう

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す