海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇72.恋が始まった場所 ページ32

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ついに、幻聴まで聞こえるようになったのか。






急にうるさくなった鼓動抑えて、


そんなことあるはずないって。








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夏向｢…おい、無視かコラ。｣


｢か……なた…｣





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恐る恐る振り返ると、


そこにいたのは紛れもなく夏向だった。






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なんでここにいるの？


もしかして探してくれた？


私と花火なんか見てていいの？







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聞きたいことはいっぱいあったけど、


そんなこと、どれも優先は低くて。








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｢…っ、かなたぁ…っ…｣








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何かが溢れ出して、止まらなくなって、


私は、ｷﾞｭｯと彼にしがみついた。








うざがられてもいい、


後でなんて罵ってくれてもいいから、




今だけは……、








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くしゃくしゃっ…っと雑に撫でる手にさえｷｭﾝとする。




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私を拒まない彼の手が、あまりにも優しくて、


あぁ…、離れたくないなぁって。






ｽﾘ…っと夏向の胸に頬を寄せる。







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夏向｢…これやるよ。｣


｢へ…っ、……これ…｣





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…夏向、忘れてなかったんだ。






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夏向｢お前…、これ好きだったろ。｣


｢うん…………好き。｣






夏向｢へっ…、｣


｢あ…、…いや、好きだよ！…りんご飴！｣






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