海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇69.ラムネ味の罪悪感 ページ29

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｢……ごめん…っ｣



千秋｢…A？｣






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戻ってきた千秋の手には、ラムネが2本あって、


私がラムネ好きなの覚えててくれたんだ…って。





でも、そんな事ですら今は罪悪感で胸が痛い。








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私は、こんな優しい人を、利用しようとしていたんだ。






千秋と花火大会に行って、


少しでも夏向が振り向いてくれたらって。






今日一日、千秋の目は、私だけを見てくれていたのに、


私の気持ちはふらふら宙ぶらりんのまま。







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…そんな失礼なこと、無いと思った。







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いつだって彼の優しさに甘えて、


何度、知らぬ間に彼を傷付けていたことだろう。







もう…、私のくだらない駆け引きに付き合わせちゃいけない。








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｢私…、千秋と一緒に花火見れない……｣






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泣いていいのは私じゃない。


分かってるけど、そう簡単に止まるもんじゃなくて。








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千秋は、




泣きじゃくる私の頭を、ふわふわと撫でて、


そのまま、ｷｭｯ…っと頭だけ腕の中に閉じ込めた。






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千秋｢……ごめんね、…いっぱい悩ませて｣


｢千秋は…っ、千秋は悪くない…！だから…っ｣








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“謝らないで”




そう言おうとしたのと同時に、柔らかい感触がおでこに。








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千秋｢……俺は、いつでもAの見方だから。｣


｢…千秋……｣







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いつものように優しく微笑んだ彼は、


花火大会の人ごみの中に消えていってしまった。








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