海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇65.懐かしき水風船 ページ25

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千秋｢A、焼きそば食べる？｣


｢食べる！｣





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花火が始まる前に、出店巡りをしている。


かき氷やら鮎の塩焼きやら、夏ならではの美味しそうなものがいっぱい。







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思ったより私達は、“普通の花火大会”が出来ている。








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千秋｢はい、これ。どっか座って食べよっか。｣


｢あ…ありがとー！これいくらだった？｣


千秋｢お金ならいりませんよ。お嬢さん。｣


｢え…いやいや、でも…！｣


千秋｢そんなみずくさい仲じゃないじゃん。｣







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そう言われてしまっては何もいえなくなる。







私は“ありがとう”と言って、


千秋から焼きそばのパックを受け取った。






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その後、ヨーヨーすくいの出店に立ち寄る。







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｢懐かしい…！｣


千秋｢やる？笑｣


｢やりたい！｣





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小さい頃、お祭りに行ったら絶対やってたヨーヨーすくい。







小さなプールに浮かべられた色とりどりの水風船は、


どうしてこんなに魅力的に見えるんだろう。







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｢あー…！落ちちゃった｣





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途中まですくい上げた青いヨーヨー。


ただその重さに耐えきれなくなったのか、


ﾊﾟｼｬﾝ！と音を立ててプールに落下してしまった。






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千秋｢はいじゃあｺﾚあげる。｣


｢え…！いいの!?｣


千秋｢浴衣とおんなじ色だね？｣






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千秋がすくったのは赤色のヨーヨー。


彼はその輪ゴムを私の薬指にかけた。





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