海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇61.Quality ページ21

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ここで泣いたらズルいってわかってる。






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｢冬真に…、怖い話された｣






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自分でも笑っちゃうようなクオリティの嘘。


それでも千秋は、何も突っ込んでこなかった。








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千秋｢…そっか、Aは怖がりだもんな。｣





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千秋は、それだけ言うと私の頭をふわふわと撫でた。






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一度触れられると、


ふつふつと溢れてくる甘えたい願望。






千秋の腕に、ﾄﾝ…と頭をつける。


それだけでなんだか気持ちが楽になった気がした。







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千秋｢明日18時待ち合わせにしよっか。｣


｢へ…、あ、うん…。｣


千秋｢楽しみにしてるね？｣





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この人の笑顔には、人をﾎｯとさせる力があると思う。






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｢…じゃあ、おやすみなさい。｣


千秋｢おやすみ。｣







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階段上がる。


一段上がる事に、どんどんと憂鬱になっていく。






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私の部屋の隣が夏向の部屋。


細く開かれた扉の隙間から、淡い光と小さな話し声が聞こえる。







…まだいるんだ。






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さっきのこと脳内再生されて、


またしてもｼﾞﾜﾘと涙が滲み出す。









わざと足音を立てて歩くと、話し声がﾋﾟﾀﾘと止んだ。







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