海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇58.思いの交差 ページ18

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美咲｢明日…、千秋さんと花火大会行くんだね。｣


｢うん。久しぶりだなぁ…、花火大会。｣


美咲｢…そっか、楽しんできてね！｣







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ビールを片手に私達の会話を聞いていた夏向が、


唐突に口を開いた。








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夏向｢…お前もくだらない嘘つくようになったんだな。｣


｢へ…、｣








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夏向｢行く人いないからとかなんとか言って、

結局、兄貴と行くとか…、

どうでもいいけどわざわざ俺やそいつに報告すんな。｣







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ｷﾞｭｯ…と、持っていた浴衣の袋に力を込めてしまう。







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夏向｢お前が誰と行くかなんてしらねぇけど、

興味無い話聞くほど暇じゃねぇんだわ。




浮かれて浴衣とか買って、馬鹿じゃねぇの。

お前の浴衣とか誰も興味ねぇから。｣







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私は…、何のために千秋と花火大会に行くんだっけ。







夏向に振り向いて欲しいって、その一心で。


ちょっとでも私の事見てくれたらいいなって。





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でも、その私の思いは、


たくさんの人の事を傷付けていたのだ。




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本当はどこかで気がついていた。


美咲ちゃんの、千秋への思いを。









……千秋の、私に対する思いにも。






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たくさんの人の思いを踏みにじった挙句、


そうまでし手に入れようとしたものまで…、







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夏向｢…行くぞ。｣


美咲｢へっ…、｣






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失ってしまったかもしれない。






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