海と輝くその恋はTwo Season【好きな人がいること】

◇57.着てくよ浴衣 ページ17

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結局、冬真の後押しに負けて買ってしまった浴衣。





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たまたま会った“浴衣マイスター”


日村さんのアドバイスの半分くらい聞きつつ選んだのは、





薄いベージュ地に古風な赤い花がたくさん散りばめられた浴衣。


帯も柄と同じ赤色だ。







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多少の言いくるめられた感はあったものの、


いざ買ってみると心が踊った。






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明日、この浴衣を着て千秋と花火大会に行く。






もしかしたら、そのどこかで、夏向に会って、


可愛いって言ってもらえるかもしれない。







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｢ただーいまー｣


美咲｢あ…、Aちゃん…おかえり。｣





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家に帰ってきて、一番最初に顔を合わせたのは美咲ちゃんだった。






私が持っていた浴衣の紙袋を見て、


いつも明るい美咲ちゃんの顔が一瞬だけ曇った。







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冬真｢Aー！！買ったの!?買ったんだね浴衣！｣



｢も…もう冬真うるさい…笑｣



冬真｢いいなぁ、俺もAと花火大会行きたくなってきたー！｣







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騒ぐ冬真の声に驚くように、


お風呂から上がった夏向がリビングにやって来た。






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冬真｢ま…、楽しんできてよ。俺先お風呂入っていい？｣





｢あ、いいよ。｣


美咲｢…うん、どーぞどーぞ。｣






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冬真がいなくなって、リビングに残されたのは、


私と、美咲ちゃんと、夏向だった。







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…異様な空気が、流れる。





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