もう一度世界一のパスを (ページ5)

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4話ページ5

｢次、一ノ瀬Aくん｣

『はい。』

帝襟アンリという人が一人一人名前を呼んでいき俺達にブルーロックの服を支給し、携帯や財布などの荷物を預かってくれた。

ブルーロックは日本フットボール連合とは違い、バスで移動しなくてはならない程の山の奥の方にあった。

｢服の横に着いている番号の部屋に行って着替えてくださいね。｣

そう言われて俺は自分の服の番号を確認する。

241のVと書かれていて俺はチームVの部屋を探した。

『あ、あった。』

Vと大きく書かれた扉があり自動なのか前に立つと開いた。

中はコンクリートで作られた横長の部屋に無造作にロッカーが置いてあるだけの部屋。

俺の他にも人がいてざっと10人程だと思う。これ以上来るのか俺が最後なのかは分からないが、とりあえず言われた通りロッカーに制服を入れて服に着替える。

みんな緊張しているのか、中にいる人たちはキョロキョロと辺りを見回しいている。

1人を除いて。

少し長めのストレートの黒髪が右目にかかっていて、睫毛の長いターコイズブルーの長身の男だ。

特に何にも興味がなさそうで、ビビっている様子もない。

ただ彼をじーっと見つめているとモニター先程演説をしていた絵心さんが手をワキワキしながら出てきた。

｢着替えは終わりましたか才能の原石共よ…｣

そしてこの部屋にいる12人のメンバーはルームメイトであり高め合うライバルなのだと説明された。

｢お前らの能力は俺の独断と偏見で数値化されランキングされている。制服に示されている数字がそれだ。｣

この部屋の中で1番ランキングが高いのは俺だ。

俺がランキング上位なのに気づいたのか、さっきのターコイズブルーに睨まれほかのメンバーにもお前が？という嘲笑ったような目で見られる。

『(日本人は感じが悪いのか…？俺も日本人だけど)』

そして絵心さんは俺達に決定的な言葉を呟いた。

｢そしてランキング5名以上は6ヶ月後に行われるU-20W杯FW登録選手とする。｣

部屋にいるメンバーに緊張が走ったのが俺にも伝わった。そしてブルーロックで敗れ帰るやつはこの先一生日本代表に入る権利を失うという言葉に更に緊張が走っていた。

｢今から素質を測るための入寮テストを行う

さぁ "鬼ごっこ"の時間だ｣