舞姫は緋い瞳の美少女です。【暁のヨナ】

8．悲劇は続く ページ9

ハァッ、ハァ



「逃げて！ヨナ！」




私は、死んでもヨナだけは！
力強くヨナの背中を押す。

ヨナは泣きながら走り出す。




「っ！」


「お覚悟ください。A様」



もうだめた。
涙がぼろぼろ落ちる。



「ハッ！！」


「うっ！」



ハクの声…………？
私は頭をあげる。



「これはいったいどういうことですか。
スウォン様！」


「ハク…………！ヨナを！」



私はいいから！
ああ、もう涙が止まらない。

すると、ハクは私の前に膝をつけた。



「俺は、ヨナ様を守れとイル陛下から命じられた。」


「そんなこと、知ってるよ……だから早く」


「でも、同時に、あんたを守ることでもあるのんだよ」



ハクは、微笑み私の頭にぽんっと手を乗っけた。
なんでそんな優しいこというの……



「さて、イル陛下はどこにいるんですか？スウォン様？」



「イル陛下なら先程地獄に送って差し上げました」



「っ！」




武器がぶつかり合う。




「真実を言え！スウォン！」


「真実です」



感情的なハクに対して冷静なスウォン。



「武器を嫌がった陛下に刃を向けたのか！」


「そんな、優しさこの国にはいらない！」



ヒュンっ！！
ガンっ！ガンっ！


………どうして、スウォンとハクが戦ってるんだっけ。
頭がグラグラする。

そのせいで気づかなかった。
私の後に敵がいることを。



「そこまでです！」



「……………っ！まさか…………」



ハクは振り返る。
私は敵に剣を突きつけられていた。



「ハク………ごめん……」

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