舞姫は緋い瞳の美少女です。【暁のヨナ】 (ページ8)

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7．どうして？ページ8

もう、すぐ後ろまで追っ手がきている。
私は咄嗟にヨナの背中を押す。

「逃げて！ヨナ！！」

私はヨナを押した反動で転んでしまい。
取り囲まれる。

私は、背後で剣がふり上がったのを感じる。
もう、だめだ。

その瞬間。

「ハッ！！」

ハクの声。
気づいたときには、敵は全ていなくなっていた。

「これはどういうことですか……スウォン様！」

――――――――――………………

そんなの、嘘だ………
イル陛下がユフォン様を殺すなんて。

「そんなの……嘘…………」

ヨナも、酷く動揺している。

「それが真実です。ですが……」

スウォンは無表情のまま話す。

「あなたたちが起きているのは予想外でした。それに、ヨナはほとんどイル陛下の部屋には入らないと聞いていたのに。」

「私は……………伝えたくて………」

ヨナは静かに涙を流す。

「やっぱりスウォンを忘れることはできないと……」

ヨナの涙が心に染みる。

………許さない。許さない。あなたを絶対に許さない。

「スウォン、私はあなたを許さない。」

ポタッ
私の真っ赤な瞳から涙が流れる。

「……A……」

スウォンは、私の名を呟く。

ガチャ……

「スウォン様、準備が整いました。」

誰、この人。
私もヨナも頭が回らない。

「しかし、ヨナ様とA様に………」

「っ………………」

「それなら話は、早い。

殺してしまいなさい。スウォン様」

殺す？
イル陛下にしたみたいに剣を刺すの？

「…………スウォン……」

ヨナは怯えながら名前を呼ぶ。
その直後、スウォンは静かに近づいてくる。

完全に殺される。

「逃げなきゃ……」

私は決意し、ヨナの手を引く。
しかし、後にいた敵にぶつかりつまずいてしまう。
その拍子に蝋燭が倒れ、一瞬で火が移る。

「ヨナ、いこう」

ダッ

私達は走り出す。