舞姫は緋い瞳の美少女です。【暁のヨナ】

13．俺が守る ページ14

それに、この人は臆病なんかじゃない。
俺はイル陛下の手から滴る血をみながらそんなことを思った。


イル陛下、今もどこかで俺らを見ておいでか。
貴方の心残りは、俺が守る！




――――――――――――――――――――――……………………
Aside



お城から脱走してから何日かがたった。
ヨナは、どんどん弱っていった。




「っ……………………」


「ヨナ！大丈夫？」


「少し休みましょーか」



…………ヨナ大丈夫かな。
目に光がない………。

夕方になってもヨナは何も話さない。
何も食べないからどんどん細くなっていっている。




「ヨナ姫さん。少しでも食べた方がいいですよ」


「………………………………」




ヨナは無反応。
まだ頭や体がついてきていないんだ。現実に。
ヨナは、まだ現実を直視できていない。




「ヨナ！そこの湖で体、洗おう」


「…………………」
　



私はヨナの手を引き、湖につれていく。
まるで人形だ。ずっとこのままなのだろうか。
ずっと……………………




―――――――――――――――――――――…………………………



「すぐ戻るわ…………」




そう言って、ヨナはどこかへ行ってしまった。




「どこいったんだろう………」


「多分これですよ」




そう言い、ハクが出したのはヨナがスウォンから貰ったと言っていた簪だ。


ヨナはまだスウォンのこと…………。
でも、あれ？それがここにあると言うことは……………。
ヨナ、見つからなくて遠いところまでいっちゃってるんじゃ！



「私も、ちょっと行ってくる！」


「あっ！オイッ！」



私の予想通り、ヨナは奥までいっているようだった。
あ！ヨナ！…………なんかヨナの足元何かいる？
っ！蛇だ！！




「ヨナ！危ない！！」



私はヨナの体を全力で押した。

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