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お見舞いに来てくれた ページ3

次の日、特にやることもない私はベッドにねころがり、ぼーっと天井を見つめていた。
今日はお母さんが仕事なので、一人きりというわけだ。
とはいえ、別に寂しいとかは思わない。誰か来ても、どうせ覚えていないのだし。
ガラガラガラ
誰も来なくていいなんて考えていたのに、見舞いの人が来たようだ。なんてタイミングなんだろう。
入ってきた人は、髪が長くサラサラで、メイクもバッチリキメている人だった。こんな人が、私の友達だったなんて信じがたい。
「すみません。あなたは私の友人ですか?」
早速話しかける。私は何故かこの人に、ものすごく興味を持った。
「やっほ〜香澄っち〜!
あんたのお母さんから聞いてたけど、やっぱ私のこと忘れちゃった系?ガチぴえん…。」
なんだこの喋り方…。
でも、別に何も違和感は持たない。それどころか、何故か懐かしいような、安心する喋り方だ。
きっとこの人は、私の親友にあたる人だったのだろう。
「はい。記憶がなくなってしまって、あなたのこともちっとも覚えていません。ごめんなさい。あなたは誰ですか?」
「私の名前は菜月〜!
よろ〜。」
「…よろ〜…。」私は…、この人の声を聞いた途端、どこか、なにかの記憶の中に、この人のような明るくてみんなを照らせる人を見つけたような気がした。

「香澄っち何その喋り方〜!マジウケるw
あの真面目だった香澄っちが消えたんすけどw」
せっかく菜月さんに合わせてあげたのに…まったく、この人は自由人だ。
「別にいいでしょ。覚えてないんだもん。"菜月っち"も喋り方変じゃんw」
「あぁ〜…私生まれつきギャルだから〜、でもさ?香澄っちは真面目ちゃんだったから、ギャル語で喋ってんの違和感あり過ぎて草だわ。」
「真面目ちゃんだった?私記憶なくなったから分からん〜。」
「それズルくね?記憶無くなったって言えばなんでも良くなるじゃんw」
「それなw私最強かもしれんw」私は、菜月といると、自然と笑顔になれることを知った。

きっとこれが、友達なんだ。
言葉を交わすと楽しい、どんな悲しいことも乗り越えられる気がする。それが友達。
忘れてしまっても、友達は変わらないんだ。
いつまでも、ずっと。

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設定タグ:オリジナル , 記憶喪失 , 創作   
作品ジャンル:泣ける話, オリジナル作品
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いかすみバナナ(プロフ) - 雨萩さくりさん» 褒めのお言葉ありがとうございます!できれば毎日更新できるように頑張ります! (6月10日 13時) (レス) @page1 id: 93eca16f76 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - コメント失礼します!いかすみバナナさんの二次創作の短編集から飛んできた(?)者です。一つ一つの文章の語彙力が高くて尊敬します!!続きも、とても気になりました。更新頑張ってください! (6月10日 9時) (レス) id: 62efc680fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いかすみバナナ | 作成日時:2023年6月9日 19時

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