【文スト】「新年開けまして…あっ(小声)…閉めます。」中也「おィィィィィ!!!」【中原中也】

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紅葉部屋の前


芥川「尾崎さんの部屋から戻るのは容易ではないぞ。

僕とて、あまり尾崎さんの部屋には来ない。」


貴女「大丈夫。有り難う、龍之介くん。

明日は銀ちゃん達に会いに行くの。
黒蜥蜴の皆に。」


龍之介くんは、１度咳をすると、
優しげな笑顔を浮かべた。

珍しい。

龍之介くんの笑顔は、私も滅多に見ない。


貴女「じゃぁ有り難うね!!」

部屋のドアに手を掛けた。

途端、


グイｯと後ろへ引かれる


貴女「ｯ!」


龍之介くんの長い睫毛が目尻を擽る。


頬に接吻をされた。

芥川「今は此れで許せ…A。」




貴女「……ぇ」(現実不理解状態)




其のまま、龍之介くんは去っていった。

貴女「私知らないんだけど。


あんな可愛い龍之介くん……」


私は、姐様に部屋に入った。



…………


紅葉「遅こうたのぅ…A。

中也も心配しとるに違い無いの…」


テーブルに珈琲を置き、私に寄ってくる姐様


貴女「姐様。久し振りね。

先刻はお兄ちゃんが…」


紅葉「よせA。もう主等の兄妹愛は知っておる。

来い、茶を淹れよう。紅茶で善いかえ?」

貴女「ありがとう、姐様。」



そうでした。そうでした。

私達中原兄妹の愛情は、ポートマフィアじゅうで有名でした。


貴女「姐様…」
紅葉「中也の事を聞きに来たんじゃろう?

察しは付いておる。

わっちは主等を此処…ポートマフィアに連れて来た本人じゃからのう。

主等が此の位の頃からよ〜く知っておる。」



姐様は手を腰辺りにさげ、

幼い頃の私を撫でるかのように、掌を左右させた





そうでした。


私達、中原兄妹を此処に連れてきたのは、


金色夜叉…尾崎紅葉でした。

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