Episode.32 ページ32
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「寒、、」
ヒューっと吹き抜ける夜の風に体を震わす。
腕時計を確認すればもう終電間近、急いで職場を後にした。
もう世間はクリスマスムードで、辺りはイルミネーションの光が輝いている。
そんな光景を見てふと走っている足を止め、いつかの星空を思い出した。
“「また、必ず迎えに来るよ。」”
信じてるよ、その言葉。今までもこれからもずっと。
「…ジョングクも見てるかなぁ、あの時の空にそっくりだよ。」
そんな言葉をつい零す。
その後にまた、今日何度目かも分からないため息も一緒に零した。
？「見てるよ。」
「……………？」
どこからかいきなり聞き慣れた声が聞こえた。
「…やだなぁ私ってば、とうとう幻聴まで聞こえるようになっちゃったのか、、」
こりゃ完全に恋の病だ。
なんて、一人で苦笑。
彼がこんなところにいるはずがない。
だってBTSは今世界中を飛び回って、…
“後輩「休暇に入ったそうですね？」”
「……………」
いや、まさか、
？「幻聴なんかじゃない、ここにいるよ。笑」
今度ははっきりと後ろから聞こえた。
…でもここで振り返って、結局私の幻聴で誰もいなかったらと考えると…今度こそ立ち直れそうにない。。
？「A、」
大好きな声が私の名前を呼んだと同時に、後ろに下ろした私の髪に誰かが触れるような感覚も覚える。
…もう、振り返っていいよね？
これは、思い込みなんかじゃないよね、？
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作者名：夢 | 作成日時：2021年2月23日 22時
