Episode.30 ページ30
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ｰYouｰ
成人式から早３年。
未だにあの出来事は夢だったのではないかと錯覚することもあった。
でも、スマートフォンを開いて一番に映るこの写真を見る度、あれは夢じゃなかったと確認する。
その写真は、あの日あの夜、綺麗な星空を背景に２人で撮ったたった一枚の写真。
彼を信じて今まで待ってきたけど、彼は一向に現れてくれない。
不安が募るそんな毎日。
あの日、彼は敢えて連絡先は交換したくないと言った。
交換してしまったら、絶対会いたくなって約束を守れないからって、完全な状態で私を迎えに来たいからって。
嬉しいけど、それでいて彼の声が聞けないのは悲しかった。
「…はぁ、」
後輩「…先輩、大丈夫ですか？」
「え、あ、うん大丈夫。ごめんね。笑」
後輩「最近ため息多いですよ、幸せが逃げちゃいます。逃がさないように吸って下さい！」
「あははっ、笑」
あの頃新人だった私にも、今では面白くて可愛らしい後輩ができた。
彼女はどこかウナに似ていて、病院ではよく彼女と話す場面が多いため、こんな私を元気づけてくれる存在だ。
後輩「そういえば先輩、BTSって知ってます？」
「えっ？う、うんもちろん。」
後輩「最近すっごい海外を飛び回ってたらしいですよね！いや〜羨ましいなぁ。」
「いやいや…彼らには仕事でしょ？笑」
後輩「そうですけど！私世界旅行するの夢なんです、だから色々な国に回ってコンサートを通して色んな人と交流している彼らを見ると何だかいいなって思っちゃって…私も息抜きしたいっ！出会いが欲しいっ！もう病人は嫌っ！」←
「こらこら………笑」
患者さんだとしても、出会いがある人はあるのよ。
多分………
後輩「あ、でもBTSも休暇に入ったそうですね？」
「…え？」
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作者名：夢 | 作成日時：2021年2月23日 22時
