１階 happy birthday ページ3
自分の誕生日に自分でお店を予約するなんて思ってもなかっな
先に店の開店準備してたら
Aちゃんから駅に着いたとLINEをもらったから急いで駅に向かった
「お待たせ」
「ヤスくん」
今日も相変わらず可愛いな
「ゴメンな ホンマはもっとええ店予約したかってんけどな」
「お前それは失礼やろ
ソコソコええ店やっちゅうねん」
俺が予約したんはうちの店のオーナーがやってる
もうひとつのイタリアンのお店
「Aちゃんもゆっくりしてってな」
「ありがとうございます」
「ヤスは仕事前に飲みすぎんなよ」
「わかってるって ええからはよ出てってくれへん」
ハイハイってヨコちょが部屋を出て行った
「オーナーさん初めて見ちゃった」
「そうやんな うちの店基本人と会う事無いもんな
行ってみたい？」
「あんまりお酒強くないからヤスくんがいいかな」
そこ重要やからな
ヤスくんがいいと
ヤスくんでいい
「オレでいいん？ オレがいいん？」
「………」
なぁ顔赤くして下向いてるって事は
そういう事でええんやんな
「Aちやんはオレがいいん？オレでいいん？」
「…オレはAちゃんがいいねん」
「Aちゃんもオレを選んでくれたら嬉しいなと思ってる…」
ずっと下向いたまんまのAちゃんの顔をちゃんと見て言いたくて
Aちゃんの頬を両手で触れれば
ポロポロ泣いてるAちゃんと目が合った
「彼女になってもらっていい？」
「……ハイ…」
そう言ってまたポロポロ泣き始めたAちゃんを抱きしめた
「良かった〜もう泣かんで
オレが泣きそうやのに」
「…ゴメン…ヤスくん…ありがとう…」
「もうなんでゴメンやの
そこはありがとうでええやん」
「うん ありがとう」
「今日Aちゃんの予約してくれてる時間は店開けんでええってオーナーから言われてんねん」
「いいオーナーさんだね」
「そうでもないで
うちの店彼女は出禁やしな」
「そうなの？ ヤスくんのお酒飲めなくなるの？」
「そんなん他でナンボでも作ったげるやん
Aちゃんは彼女やねんから特別やねんで」
そう言えば
俺の大好きなフワッとした笑顔で笑うから
「特別な事いっぱいしような」
「うん ヤスくんお誕生日おめでとう」
「今そこ言う？」
「ゴメン まだ言ってなかったと思って」
そういう天然なトコも大好きやで
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作者名：ほままる | 作成日時：2016年8月27日 4時
