手術の成功 ページ24
あれからどれくらいの時間が経ったのか、分からない。
ベポもローの横に立ち、彼の流れ出る汗を拭いている。
そんな時、
ドカッ
とローが倒れた。
『「ロー！/ローさん！」』
その途端、その場にいた全員がローに駆け寄る。
「心配、すんなよ……輸血用の針が外れないよう、見ててやってくれ……ちっとばかり疲れた……すぐに、起きる、から……」
それだけ今にも消えそうな声でいうと、ローは地面に突っ伏して寝てしまった。
私でもわかる、大手術だった。
「ハティ、ローを寝かせてきてやれ」
『うん』
ローを担ぐと、いつも、ロー達が寝ている部屋へと急いだ。
ローが寝てから、数時間がすぎ、すっかり夜はふけてしまっていた。ずっと起きていたので、眠い瞼を擦りながらも、コーヒーをすすり、何とか自分の睡魔と戦う。
幸いにも、ローが寝てるこの間に、彼らに異変はないようだった。
すると、そこに眠りから覚めたローが部屋に入ってくる。
「ハティ、お前……顔色を見るに寝てねェな」
『ちょっとくらい寝なくてもへーき。ローがあんなに頑張ったんだもん、私も、なにか役にたつ事したかったからさ』
それだけ言うと、またコーヒーの入ったティーカップに目線を戻す。
「そうか」
とだけ呟いたローがすれ違いざまに頭を撫でる。
二人の横に立つと、注射器を飛りだし、何かを注射している。
『ロー、それは？』
「オレが作った栄養剤だ。飛びっきりのな」
「ロー、ガキ共の具合はどうじゃ」
ローと話をしていると、コーヒーのおかわりを持ってきてくれたヴォルフさんがそう聞いた。
「じいさんも起きてたのか」
「ふん、ワシの家で死人が出たらと思うと、どうにも落ち着かなくてな」
「大丈夫だよ、俺のオペは完璧だ。後は感染症とかに注意しておけば問題無い」
『良かったぁ〜』
それを聞いて、私は安心しきって全身の力が抜ける。
ヴォルフさんも
「そうか、よかった」
「良かった？珍しい台詞を吐くじゃねェか。あんたが得する事は、何もないのに」
「……子供の命が助かったなら、それは十分な見返りじゃろう」
ヴォルフさんの不器用な優しさ。
それを嫌という程知っている私とローは顔を見合わせる。なんだか、どこか嬉しくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とちょう(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» よめちゃん読みに来てくれてありがとうー！！！！！頑張って続き書くー！！！ (2022年10月2日 19時) (
レス) id: 9c17a4ec76 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - とちょーちゃん〜🌠読みやすくてすっごい好き！！無理しないで頑張って🎉続き楽しみにしてます！ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 4de2fab171 (このIDを非表示/違反報告)
とちょう(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！トラ男落ち目指して頑張ります！！ (2022年9月18日 12時) (レス) id: 9c17a4ec76 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？できればトラファルガーローオチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。応援してます。 (2022年9月18日 12時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とちょー | 作成日時：2022年9月17日 20時
