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◇
それから俺はいつも寝ていたり、ぼーっとしているだけの授業を真面目に聞くようにした。
部活もやめて、なるべく勉強に全てをかけれるようにして。
週に一度の阿部ちゃんによる実力テストを行い、今の自分がどこまで出来ているかを確認したり
休みの日は大通り近くにある図書館に勉強しに行ったり。
もちろん、大学は医療関係のところを探したり。
そのおかげで先生からは褒められたし、クラスの人からはお前人変わった？と言われることもあった。
康二くんはその間、少しの入院と毎日のリハビリ。
俺も康二くんも頑張ってる。
ずっと勉強は辛いけど康二くんのことを思い出すと頑張れた。
俺は康二くんの為に生きるんだって決めたから。
いい意味でも悪い意味でも俺を変えたのは康二くんで。
「目黒。」
「岩本くん。康二くんは…」
「うん、まだ全然だけど少しずつ歩けるようになってきてる。あの様子だったらあと二週間で退院できそうだってよ。」
「良かった……あ、それとこれ。康二くんに渡してください。」
「なんで？直接渡せばいいじゃん。」
「そうしたいのは山々なんですけど、今会うと勉強放ったらかして康二くんに離れられなくなると思うんで。」
「分かった。これはちゃんと渡しとく。目黒も勉強頑張れよ。」
「ありがとうございます。」
叶うと有名なお寺まで足を運んで買った【病気平癒】のお守り。
彼によく似合うオレンジ色が刺繍されたもの。
どうか康二くんが辛い時もそのお守りが君の力になってくれますように。
「目黒の今の偏差値どんくらいなの？」
「いやマジで凄いよ。55以下は普通に受かるくらいまで良くなってる。」
「マジ！？あの目黒が？」
「うん。」
「…人って、あんなに変われるんだなぁ。深澤さん羨ましい。」
「愛の力ってやつかな。」
「じゃない？ わら」
「だってあのテスト期間が終わったあとのテスト、今までギリギリ赤点回避だったのに
全教科、平均点超えてたもん。」
「アイツは努力家なんだよね。」
「ほんとだよ。毎日、教室に来て分からないところあるからって熱心に聞きに来るからね？前じゃ考えられない。」
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作者名：HIMI | 作成日時：2023年4月28日 18時
