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向井さん…いや、康二くんと出会って既に三日が経った。



彼はほぼ毎日あの土手にいるらしく、俺は部活帰りに彼に逢いに行くのが日課になっていた。





「目黒。」



「岩本くん!」



「康二と会ったんだってな、」



「あ、はい。ご、ごめんなさい。報告してなくて…。」



「いや、ありがとな。お前のおかげで最近康二が楽しそうなんだよ。」



「え?」



「これからも気にかけてやってくれ。」



「! はいっ!!」



岩本くんの顔も前とは違って晴れていて、いつも通りに戻っていた。
良かった。
















「やべっ、ミーティングで遅れた…!!」



部活のミーティングでいつもより遅れてしまった。

走ってあの土手へと向かう。







「やめ、てぇや…!」



「いいじゃん。俺綺麗な男の子って好きなんだよね〜」




…は?




康二くんが知らない男に手首を掴まれていた。

ナンパ?どう考えてもヤリモクだろ。



「おい。」



「あ?」



「手、離せよ。」



「誰だよお前。関係ないだろ。」



「大アリだから言ってんだろ。」





男の肩に手を置いて力を込めれば、痛い痛いと悲鳴を出して逃げていった。



「…あ、こ、康二くん…大丈夫?」



「おん、蓮くんが来てくれたから大丈夫やで。」






そうは言うものの少しだけふるえている体が見ているだけで辛くて、





「…え……」






抱きしめた。




この震えがさっきの恐怖からか病気のせいかは分からないけど、


この人は、康二くんはいつかすっと消えてしまいそうで怖いから、




俺が、ちゃんと守ってあげないと…。























「…めめ、なんか最近ご機嫌だよね」



「え、そう?」



「うん。だっていつも授業とか寝てるのに寝てないし。まぁ窓とか見てるだけなんだけど。最近は部活終わったらすぐ帰るらしいじゃん。」






同じクラスの友達、ラウールにそう言われて確かにと頷く。

康二くんに出会ってからというもの放課後が楽しみで仕方がない。


康二くんから病気について話してくれたことはないけど、趣味とか好きな物とか知れるのが嬉しくて



無意識に体が康二くんの元へ急げ急げと動く。








「あ、めめ授業聞いてないかもだから言うけど、再来週の週初めからテスト期間だよ。」



「…は。」







終わったかもしれない。

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作者名:HIMI | 作成日時:2023年4月28日 18時

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