俺ハずッtO ページ7
Your side
『廉は、私のことなら何でも知ってるね』
自分で言った言葉が何故か胸につっかえる。
“何でも知っている”
ローテーブルに並べられた物たちは、確かに私が好きな物だけ。
全てを、廉は覚えてくれていた。
いや
________________覚えていたという言い方さえ
違和感が残る。
違うんだ。ニュアンスが。
「そりゃあ知ってるわ。好きな人のことなら何でも」
綺麗だった思い出が、どんどん変色していく。
なぜ、こんなにも残酷なことを廉は知らせるのだろう。
目の前に映るイチゴも、バナナも、全部憎らしい。
同じものを見ているはずなのに、同じ過去を回想しているはずなのに、この胸の痛みは何なのだろう。
『……そんなはずないよね?
違うって、言って』
何も言わない廉は、少しだけ笑った。
「何が?何を否定してほしいん?」
『気が合うんじゃないよね』
「……」
『気が合いすぎるんじゃないよね』
「…………」
『いつでも合わせてたんでしょ?』
「…………」
知らなければ、青春の1ページとして胸に刻まれ続けたはずなのに。それさえも許してくれない廉はなんて酷いのだろう。
気が合うんじゃない。
気が合いすぎるんじゃない。
____________廉は合わせていた。
私が後から同調する形だったから、気付かなかった。けれど、廉は私に合わせている。私が廉に話すよりも昔から、廉は私のこと全てを把握済みだったから。
あの大量の写真を見たとき全てを理解しなければいけなかった。
私と出会う前から、今日この瞬間まで廉は何1つ変わっていなくて
その間の時間の廉だって至極当然のことながら同じだということ。
あの日、廉の選んだクレープの味が、自分の好みと一致した。だから一気に親近感を覚えた。
クレープ屋での一連の流れを思い出しても
そうじゃないか。
廉はなんの違和感もなく「イチゴのやつやろ?」なんて聞いてきた。
『……私、
廉に、イチゴが好きだなんて
一度も言ったことなかったよ。
なんであのとき、知ってたの?』
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もも。 - お話が面白すぎて一気に読ませていただきました、!キュンとしたり、切なかったり、、。続き、更新されるの楽しみに待ってます、! (2019年2月6日 0時) (レス) id: 7822559aab (このIDを非表示/違反報告)
白。 - お話が面白くて一気に読みました。切なかったりぞくっとしたりきゅんとしたり、あなたさまの書かれる廉君と平野君がとても魅力的で..引き込まれます..凄く好きです。続きが読めるのを心待ちにしております..! (2019年1月12日 23時) (レス) id: 02ab738ad1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 途中から涙なしでは見られませんでした!紫耀くんの立場になって読むと苦しかったです、、これからも更新楽しみにしてます!! (2018年3月29日 0時) (レス) id: 352a1f8854 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 面白すぎて最初から一気に1日で読みました!!どうなるのか楽しみです!廉くんこういう役似合いますね笑笑 (2018年3月17日 19時) (レス) id: 7eb0555a29 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - ねねけろさん» 更新遅くなってすみません!読んでいただきありがとうございます!ここからは一気に更新します!!! (2018年3月16日 1時) (レス) id: 715c5d55e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴらみるふぃー | 作成日時:2017年4月22日 14時