Un命 ページ14
Your side
「引いたくじ、床に落ちとったやろ。あれ、俺が落としてん」
その言葉で一気に蘇る、あの日の記憶。
何もかもが信じられないほどに
廉のシナリオ通りに事は進んでいるのか。
「月の初めに席替えがあることは分かっとった。
せやから、席替えの前の日に、隣になる組み合わせのくじ2枚を引いた。
俺は当日、箱の中から引くフリをして
あらかじめ持っとったくじを手にとって番号を見た。……まぁ、そんなとこまじまじと見る奴はおらんから簡単なやったよ。
そんで、クラス中が我先にとくじを引きにくる中、いつもひとみとハルはくじを引くのが最後やった。
だから、2人が来るのと同時くらいに、俺は黒板へ自分の名前を書きに来たように見せかけて
6番のくじを落とした。
そしたら予想通りハルが拾って
渡した。
ひとみに。
そこで俺の作戦一つ目は成功したわ」
全てが綺麗に当てはまっていく。何もかもがピタリと重なり合って、私の脳に焼きつく。
『もし、もし私が先にくじを引いてて、ハルが6番のくじを自分のものにしたら……』
廉「それも想定内やったよ。
ただ、いつもひとみが後に引くからその可能性は低かったけどな。
でも、ハルの隣になったとしてもそれは作戦成功のうちやった。
やって、絶対にハルの所に話しかけに来るから。その話しかけに来るタイミングで、俺が距離を縮めるチャンスはいくらでもあったよ。
ハルと仲良くなってひとみに話しかけたやろな」
最初から最後まで丁寧に敷かれたレール。
思うままだった私の全て。
失われていくシンライ。
積もっていくケンオカン。
離れていく廉へのキモチ。
『教えてくれてありがとう。そのおかげで私たち結ばれたんだね。
廉は、運命さえも作れちゃうんだね。凄い。
仕組まれていたシナリオだったとしても嬉しいよ』
欺瞞には、欺瞞を。
廉が私を欺くのなら、私は廉を欺く。
ここで、別れ話を出したら、私は殺されるのかもしれない。いつだってあるそんな予想に、自分の行動は悪へと曲げられる。
廉に嘘を付いていることがバレないよう。
私の言葉に笑顔を浮かべながら、廉は私を見つめた。なんだ、簡単じゃないか。これこそ廉が求めていたもの。今は、与える。
この家を出た瞬間に過去を、廉を捨てよう。
部屋から出るための口実。
廉が私を殺さないための手段。
私が手に入れた汚れ。
他愛もない話をすれば、時間は過ぎていく。
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もも。 - お話が面白すぎて一気に読ませていただきました、！キュンとしたり、切なかったり、、。続き、更新されるの楽しみに待ってます、！ (2019年2月6日 0時) (
レス) id: 7822559aab (このIDを非表示/違反報告)
白｡ - お話が面白くて一気に読みました。切なかったりぞくっとしたりきゅんとしたり、あなたさまの書かれる廉君と平野君がとても魅力的で..引き込まれます..凄く好きです。続きが読めるのを心待ちにしております..！ (2019年1月12日 23時) (レス) id: 02ab738ad1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 途中から涙なしでは見られませんでした！紫耀くんの立場になって読むと苦しかったです、、これからも更新楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 0時) (レス) id: 352a1f8854 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 面白すぎて最初から一気に1日で読みました！！どうなるのか楽しみです！廉くんこういう役似合いますね笑笑 (2018年3月17日 19時) (レス) id: 7eb0555a29 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - ねねけろさん» 更新遅くなってすみません！読んでいただきありがとうございます！ここからは一気に更新します！！！ (2018年3月16日 1時) (レス) id: 715c5d55e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴらみるふぃー | 作成日時：2017年4月22日 14時
