イヨう ページ11
Your side
誰にも食べられることなく置かれたお菓子やフルーツは苦い思い出を貼り付けながら、
カットされたケーキは浮かれていた自分を思い出させながら、目に映る。
『何なの。意味分かんないよ。
……良い加減、教えてよ』
震える声は、廉の手の中で生きている自分自身を自ら認めているかのようだった。
惨めで、情けなくて、涙さえ出やしない。
けれど考えたって分からない。
何が廉の計画で、それがどこで実行されていたのか。とっくの昔に、それを暴くことなんて不可能だとどこかで悟ってはいた。
『全部、全部教えてよ。
あの時の廉が見せかけの更生をしたことだって、出会う前から廉が私のこと知ってたことだって、もう私は知ったんだから、失うものなんてないでしょう？
だから、教えて……』
今は、廉が分からなくてただただ怖い。
その微笑みながら見つめる表情も、少しだけ上がった口角も、廉の過去も行動も思惑も全てが怖い。
「ははっ、ははっ、はははははははははは」
笑い出す廉の声を聞きながら、絡まった目線は囚われて逃げることが許されない。
廉は、立ち上がると、自分の部屋から紙を持ってきて私に渡した。
私の手の上に載せられたのは、数学プリント。
問題の内容を見ると、半年程前に習った単元。赤ペンで答えが丸々書かれていて、端々には解説が青ペンで書き込まれていた。少し汚いこの字を見れば、誰のかだなんて分かる。
なんで、これを廉が持ってるの。
「何でも聞いたるよ。
やっと俺の本性を愛してくれるんやから」
満足そうな廉は、私の発した言葉さえも“計画のうちだったよ”と嘲笑うよう。
まるで、これまでがありのままの自分自身を知らせ、愛させることが目的の前菜だったかのように、メインディッシュは今運ばれる。私が自らの意思で欲したかのように、廉は、それを提供する。
最高で最恐のディナーを。
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もも。 - お話が面白すぎて一気に読ませていただきました、！キュンとしたり、切なかったり、、。続き、更新されるの楽しみに待ってます、！ (2019年2月6日 0時) (
レス) id: 7822559aab (このIDを非表示/違反報告)
白｡ - お話が面白くて一気に読みました。切なかったりぞくっとしたりきゅんとしたり、あなたさまの書かれる廉君と平野君がとても魅力的で..引き込まれます..凄く好きです。続きが読めるのを心待ちにしております..！ (2019年1月12日 23時) (レス) id: 02ab738ad1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 途中から涙なしでは見られませんでした！紫耀くんの立場になって読むと苦しかったです、、これからも更新楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 0時) (レス) id: 352a1f8854 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 面白すぎて最初から一気に1日で読みました！！どうなるのか楽しみです！廉くんこういう役似合いますね笑笑 (2018年3月17日 19時) (レス) id: 7eb0555a29 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - ねねけろさん» 更新遅くなってすみません！読んでいただきありがとうございます！ここからは一気に更新します！！！ (2018年3月16日 1時) (レス) id: 715c5d55e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴらみるふぃー | 作成日時：2017年4月22日 14時
