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155.染められた黒 紫耀side ページ7

紫耀side



少しずつ言葉に変換されていた俺の感情は
脳で理解し把握する前に声になって出ていってしまった。


『……何でそんなにも文句言うの。


私の勝手じゃん』


俺は、何をやっているんや。

本物のバカか。



なぜ、こんなにも怒っている?
胸がこんなにもはち切れそうなのはなぜ?


ひとみが可哀想だから?
元に戻って欲しいと願うから?


「……今までのひとみはどこ行ったん」







違う。






そんなんじゃない。

そんな綺麗な想いなんかやないんや。



どんどん永瀬に染まっていくその姿が許せないんや。





__________いつか君の中から俺が完全にいなくなりそうで。



今だって君の目に映っているのは永瀬だけ。

俺なんて、目には入っているけれどそれは歯牙にも掛けないような背景と化していて。耳では俺の声を聞くけれどわざわざ感覚しないような雑音になっていて。



今俺がいなくなっても君は気付かないくらい
俺が君の中にはもう存在していない。どこにも。




ひとみの中にはたった1人永瀬がいるだけ。




完全に記憶の中から抹消されて
俺がひとみの中からいなくなる日がやがてくる。


いや、それは今なのかもしれない。



こうして会いに来ても、ひとみにとって俺は何の価値もない存在で。話したこともないくらい赤の他人と同じくらいに無意味な存在で。

必要とされないどころか、好かれていないどころか、嫌いとも思ってもらえないくらいに


無関心。




それに恐怖を感じている。








いつの間にこんなにも染められていた?

気付かないところから俺は
ひとみを愛するあまり苦しめている。




永瀬と同じように。

156.コピー 紫耀side→←154.不気味な明るさ 紫耀side



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ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» いつもありがとうございます(´;ω;`)本当に嬉しいです!自信がなくなったときのコメントってすごく力強いんです。かなり物語が急展開しました!そんなふうに言っていただけて本当に光栄です!文章も構成もこれからもっともっとパワーアップしていきたいです(*^^*) (2017年1月11日 23時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新待っていました。嬉しくて泣けそうですT^T 物語もいよいよのところまできましたね!ぴらみるふぃーさんの文章力と、お話の構成を考える能力、本当に尊敬しています!頑張って下さい〜(^∇^) (2017年1月4日 18時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 曲がり豆さん» コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけてすごく嬉しいです!かなり今ははらはらですよね!みんなどうなっていくの……。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 炎天下さん» コメントありがとうございます!怖いですよね……廉がいつでも怖くてゾッとします……誰か廉を止めて…… (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» そう言っていただけてすごく嬉しいです!待っていただいて、本当に感謝しかありません!更新率悪くて本当にすみません泣 (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴらみるふぃー | 作成日時:2016年9月16日 19時

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