187.保健室の来客 ページ39
Your side
時計を見ると、2時間目が始まろうとしていた。
『次の授業、始まっちゃうよ。そろそろ行かないと』
廉「次、体育やから俺欠席やねん。まだ完治はしてなくて医者に止められてるんよ。
ひとみも休むやろ？
それに…」
廉の声に被せるかのように保健室のドアは音を立てて開いた。入ってきたのは担任だった。
担任「永瀬、もう来てたか。ありがとうな。
そこの椅子に座ってくれ」
廉「あぁ、はい。
でも、今ベッドで寝てる子おるんで、場所変えた方がええと思うんですけど」
担任「本当か、けどすまないな。
生憎この部屋しか空いてないんだよ」
廉「そうっすか」
廉は担任の方へと行き、4人がけのテーブルに隣同士で座った。それだけで、誰かが来て何か始まるのだということが分かった。
廉も担任も神妙な面持ちでただひたすら時間が過ぎるのを待つ。それを私はこっそりカーテンの隙間から覗き見る。
重い空気が嫌でも感じられた。
ガラガラと、ゆっくり開いた扉から入って来たのは
「失礼します。
本当に、申し訳ありませんでした」
廉に向かって深々と頭を下げる疲れ切った紫耀のお母さんと
「…………」
廉をこれでもかと睨む紫耀だった。
母「息子が怪我をさせてしまい、大変申し訳ありません。本当にこの子は……」
紫耀「なんで俺が謝らなあかんねん」
母「本当に、すみません」
担任「まあまあ、お掛けになってください」
そう促して、紫耀のお母さんを椅子に座らせた。紫耀の唇には、血の滲んだ絆創膏が見えた。
母「私の不行き届きで……」
手で顔を覆うお母さんは、今にも泣き出してしまいそう。
紫耀「なんで俺が悪くなってんねん。全部、此奴が仕組んだことやぞ。
何で謝らなあかんねん！」
担任「平野！いい加減にしろ！
事情は後で聞くとして、まずは永瀬に謝るのが先じゃないのか？
怪我させて入院までさせてるんだぞ？それに関しては一方的に暴力を振るったお前が悪いんじゃないのか」
紫耀「だからそれすらもこいつに仕組まれてて」
母「いい加減にしなさい！何度言えば分かるの！」
怒鳴り声が鳴り響く部屋で、廉以外には存在を知られていない私が、1番身の縮む思いだった。
母「主人が言ってもこの子こうなんです。何を言っても俺は悪くないの一点張りで……」
紫耀「だからホンマなんやって！
全部こいつの計画や！」
イライラする紫耀の様子が、行動や言葉その全てから感じられる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 979人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» いつもありがとうございます(´；ω；`)本当に嬉しいです！自信がなくなったときのコメントってすごく力強いんです。かなり物語が急展開しました！そんなふうに言っていただけて本当に光栄です！文章も構成もこれからもっともっとパワーアップしていきたいです(*^^*) (2017年1月11日 23時) (
レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新待っていました。嬉しくて泣けそうですT^T 物語もいよいよのところまできましたね！ぴらみるふぃーさんの文章力と、お話の構成を考える能力、本当に尊敬しています！頑張って下さい〜（＾∇＾） (2017年1月4日 18時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 曲がり豆さん» コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけてすごく嬉しいです！かなり今ははらはらですよね！みんなどうなっていくの……。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2017年1月4日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 炎天下さん» コメントありがとうございます！怖いですよね……廉がいつでも怖くてゾッとします……誰か廉を止めて…… (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» そう言っていただけてすごく嬉しいです！待っていただいて、本当に感謝しかありません！更新率悪くて本当にすみません泣 (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴらみるふぃー | 作成日時：2016年9月16日 19時
