君に狂わされた恋車４Ren Sho

186.復讐したいんちゃう？ ページ38

Your side




廉「ホンマに復讐したかったら


まずは、そいつが持ってるもの全部奪って
心の拠り所も大切な人さえも奪い尽くしてやるやろな。



それだけじゃ足りひんから

そいつを取り巻く根本的な環境である家族やってバラバラに壊してやるし
自らの手で大切な人を傷つけるように仕向けて後悔のどん底に突き落としたる。


誰かに大切な人傷つけられるより、よっぽどそっちの方が辛いやろ？

過去は変えられないからこそ、偉大や。


時間が経てば修復できたり、他で代わりを見つけられる
人間関係や金やそんなもんだけやなくて


人間が人間として生きるための
心の安定やら誰かを信じることやら理性やら判断力やらも奪い去って
そいつを構成していた性格とか考えとか感覚を
完全に変えてやるな。

マイナスの方へどんどん歩かせるんや。






気付いたときには

手遅れなくらいに

全てを最悪な形でプレゼントしてあげるんや。




後悔という名のリボンをかけた
絶望が一杯に入った小箱をそっと置いておくんやろな」



廉のその表情を形容できる言葉が、私には見つからなかった。ただ圧倒された。恐ろしかった。悪魔と鬼と怪物とが同居したらこんな風になるのか。

廉そのものに、彼氏に対して抱くべきではない感情を私は確かに抱いてしまった。


流暢に語り出す廉を見ていたら、その作戦は作り込まれていて、もう既に誰かに対してやったのかもしれないと思わずにはいられなかった。



廉「な？俺、こんなことひとみにはしてないやろ？

だから、そんな言葉気にせんくて大丈夫やから」




そう言った廉の声は優しかった。

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