180.会話の意味 ページ32
Your side
廉「俺、ほんまに心配性やねん」
玄樹「それだけ、ひとみちゃんのこと心配してるってことでしょ?」
楽しそうな会話に、震え掠れた声が割って入る。
『玄樹、くん……?』
玄樹「昨日ね、永瀬からいきなりライン来たの。ひとみちゃんは学校で大丈夫?って。だから、」
廉「おい、恥ずいからやめろって」
廉が玄樹くんの肩を軽く叩くようにして恥ずかしそうにする。
玄樹「ゴメンゴメン、また何かあったらいつでも言ってよ。じゃあね」
玄樹くんは悪戯っぽく廉に笑うと、教室へと入って行った。
最後まで純粋に笑う玄樹くんを見て、そういうことかと思った。
玄樹くんは、廉のあの最悪な計画を何も知らない。
廉と最後に話したのはトイレの前。あの時、玄樹くんにとって廉は“彼女がイジメられていることにやっと気付いて謝った優しい彼氏”として映ったんだろう。
実際はイジメのことなんか全て把握していて、それも全部廉が自分で仕組んでいるなんてことに、玄樹くんは気付いていない。
だからきっと、廉は「俺の彼女イジメられてへん?」という類の言葉を使って玄樹くんに色々と聞き出せたんじゃないか。怖いくらいに予想できてしまう。
もしかしたら
紫耀と同じように、全ては私を1人にする為に操られているのかもしれない。
そう思うと、全てがどうでもよくなった。
究極のマゾヒストというものを自ら受け入れるかの如く、私は気持ち悪いくらい全てを許容した。
そうしないと廉すらもいなくなる気がしたから。
今反抗したら私は愛されなくなってしまうかもしれないと思った。
.
いや、そんなんじゃないのかもしれない。
もっともっと純粋に、廉のことを愛しているからできる行為なのかもしれない。
廉がそれを望むのなら、私は全てを聞き入れたい廉の為なら。全てを捨てられる。
それが廉のやり方であり廉の愛し方であり、行動そのものが私だけに見せてくれるありのままの廉だから、許容するのかもしれない。
本当はこのやり方さえ、心の片隅で少なからず快感に思っているんだろうか。
自分のことすら分からない。
自分のことすら分からないのに、廉のことを私はどれだけ分かっているのだろう。
そして廉はそんな私のことをどこまで見抜いているのだろう。
玄樹くんの背中を見つめながら
そんなことを考えた。
廉「……分かったやろ。ひとみが何やってるかなんて全部筒抜けやから」
そう言って、廉は私に笑いかけた。
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ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» いつもありがとうございます(´;ω;`)本当に嬉しいです!自信がなくなったときのコメントってすごく力強いんです。かなり物語が急展開しました!そんなふうに言っていただけて本当に光栄です!文章も構成もこれからもっともっとパワーアップしていきたいです(*^^*) (2017年1月11日 23時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新待っていました。嬉しくて泣けそうですT^T 物語もいよいよのところまできましたね!ぴらみるふぃーさんの文章力と、お話の構成を考える能力、本当に尊敬しています!頑張って下さい〜(^∇^) (2017年1月4日 18時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 曲がり豆さん» コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけてすごく嬉しいです!かなり今ははらはらですよね!みんなどうなっていくの……。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 炎天下さん» コメントありがとうございます!怖いですよね……廉がいつでも怖くてゾッとします……誰か廉を止めて…… (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» そう言っていただけてすごく嬉しいです!待っていただいて、本当に感謝しかありません!更新率悪くて本当にすみません泣 (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴらみるふぃー | 作成日時:2016年9月16日 19時