177.悪夢 ページ29
Your side
廉の茶色い瞳をじっと見つめて
その視線から、逃げ出したいと思ってしまった。
この状況から、逃げ出したいと思ってしまった。
どこまで、私は最低なんだろう。
そんな私の感情を見抜いてなのかそうではないのか
廉の口は開かれた。
「……毎日、平野が家に来たんやって?
俺が入院した日、ひとみは“出てけ”って追い払ってくれたんやってな?平野に物までぶつけたんやろ?
やればできるのに何で次の日からはやらんかってん。昨日なんて、平野は簡単に部屋に入れたらしいな。
平野の思うツボやん。
一昨日は
平野に抱きつかれたんやって?
そんなん、浮気や。いくら幼馴染やからって許されへんことくらい
分からへん?」
浮気……。
廉という大切な人がいたにも関わらず、私はそんなことしたんだ。
何があっても許されないことを、私はしたんだ。
「それに…………
俺との電話の後に
.
平野とキスまでしたんやってな。
呆れたわ。それは、彼氏がおる奴のする行為なんか?」
『ごめん、ごめん』
重みのあるスクバがドスッと音を立てて地面に落ちる。手に力なんてない。
後悔したって遅いのに。私は誰かに言われないといつまで経っても自分の罪深さに気付かない。
「今更そんなん言っても遅いわ。
裏で、コソコソこんなことしてたなんて」
私の信頼は、全てズタズタに消え去った。
自分の過去の過ちを報いる方法なんて見つからなくて
ただただ自責の念だけが芽生える。
「俺より平野か?」
『違う……』
「俺は、彼氏やろ?
それなのに
平野から告白されて揺れたんやろ?
守りたいだの言われて俺を裏切ろうとしたんか?」
何で、何で、そんなことまで知ってるの?
この言葉を言ったら、終わりな気がした。
涙が、頬を伝う。
悲しみだけなのかと思わせておいて、得体の知れない恐怖が私を襲う。
答えを探してしまったらもう元には戻れないんじゃないか。
知らない方が良い事実だって、あるんじゃないか。
『紫耀……』
小さく掠れた声が、涙とともに落ちた。
979人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» いつもありがとうございます(´;ω;`)本当に嬉しいです!自信がなくなったときのコメントってすごく力強いんです。かなり物語が急展開しました!そんなふうに言っていただけて本当に光栄です!文章も構成もこれからもっともっとパワーアップしていきたいです(*^^*) (2017年1月11日 23時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新待っていました。嬉しくて泣けそうですT^T 物語もいよいよのところまできましたね!ぴらみるふぃーさんの文章力と、お話の構成を考える能力、本当に尊敬しています!頑張って下さい〜(^∇^) (2017年1月4日 18時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 曲がり豆さん» コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけてすごく嬉しいです!かなり今ははらはらですよね!みんなどうなっていくの……。これからもこの作品をよろしくお願いします! (2017年1月4日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 炎天下さん» コメントありがとうございます!怖いですよね……廉がいつでも怖くてゾッとします……誰か廉を止めて…… (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» そう言っていただけてすごく嬉しいです!待っていただいて、本当に感謝しかありません!更新率悪くて本当にすみません泣 (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴらみるふぃー | 作成日時:2016年9月16日 19時