君に狂わされた恋車４Ren Sho

162.鳴ったスマホ ページ14

Your side


紫耀が部屋を出て行くと
その瞬間を待っていたかのように


スマホが鳴った。


画面を見ると、やっぱり廉からで。
急いでスマホをとる。

そして、いつもの癖でスピーカー設定にした。








『もしもし？廉、どうしたの？』

「急に声聞きたくなって電話してもうた」

照れながらそう言う廉を、声だけで想像できた。

少し恥ずかしくなりながらそんな言葉を発しているのだろうか。そう思うだけで愛おしくなる。







「いきなりごめんな。……何かしてた？」




_________紫耀が部屋に来たからお喋りしてたよ、なんて言えるはずもなく。

『……何もしてなかったよ』




また私は嘘をついた。

もうあのシャーペンは持ってないから
嘘ついてもバレないでしょ？

そんな安易な考えが
また私の口からでまかせを一つ作らせる。
何回私は廉に嘘をつく？

そう考えると、やっぱり胸が痛くなった。







「ラインの返信が途切れたから
どうかしたんかなって思ってん」

『ごめんね、トイレ行ってたの』

「そうだったんや……」

少し寂しそうな廉がその声のトーンから想像できた。





『廉……何かあったの？』

「なんかな、寂しくなってん。嫌やった？電話すんの」

『ううん。そんなことない。寧ろ嬉しいよ』

「そう言ってもらえて嬉しい。


俺な……心配やねん。

ひとみは今何やってんやろうなって
他の男と仲良くしてへんかなって

また俺から離れていくんちゃうかなって」

『廉は心配しすぎだよ。大丈夫だから』

「なんか、自分でもどうしようもできへんねん。


ほら、平野の家って隣なんやろ？それに幼馴染やろ？

あいつ、今日は来てへん？」

『来てないよ』

「…………ほんま？」

『うん。ほんと』

「嘘やない？」

『嘘じゃ、ないよ』


「そうやんな。……信じるよ。

ごめんな

こんな風に疑って……。

ちゃんと、ひとみのこと信じたいのに……」








.







.









そのとき





.







.








.









ドアが勢い良く開いた。



紫耀「ひとみ！さっきの叔母さんの言葉なんやけどな！」







大声で入ってきた紫耀。









.









.








私の全てが今終わった。




紫耀が硬直する私とスマホを交互に見て、しまったという表情をした。





でもね





もう遅いんだよ。








電話越しに聞こえたのは









廉「ははっ…………」









この状況を全て理解した廉なんだから。

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