160.忘れていた記憶 ページ12
Your side
紫耀と一緒に過ごした記憶の中でいつも私は笑っている。
『悲しかった記憶は、ほとんど忘れたけど
紫耀と過ごした時間は今でも思い出せるよ。
何で泣いてたのかも、何をされて何を言われたのかも忘れたけど
私が男の子に泣かされたとき
紫耀はすぐに私の所に来て慰めてくれたよね。
「もう大丈夫やで」って言葉が嬉しくて
「もう泣かんといて」って言いながらまるで自分のことのように悲しい表情になる優しい紫耀がいつも私を助けてくれた。
私、ちゃんと覚えてるよ？』
笑っていた思い出だけが
私の胸に大切に仕舞われていて
今になって呼び起こされたみたいだった。
「そんな風に言われたら、俺調子乗ってまうわ」
そう言った紫耀は少年のような笑顔を見せた。
「小学生の夏、一緒に自由研究したの覚えてる？
みんな自由研究なんて適当にやって終わらせるのに、俺らだけは張り切ってたんよな。
近くの田んぼ行って沢山生き物捕まえたな」
『私だけがザリガニ捕まえたもんね。
紫耀はアメンボとタニシばっかり捕まえてた』
「それ言うたらあかんて！」
自然と笑みがこぼれる。
他人からしたらどうでも良い会話でも、紫耀となら楽しいんだ。
『昔は楽しかったね』
私が何気なく言った言葉に、紫耀は反応した。
「昔？
俺は、今も楽しいで。
やって、ひとみが隣におってくれるんやもん。ひとみは楽しくないん？」
『楽しいに決まってるよ』
.
「じゃあ…………
大切に思ってくれてるのは永瀬だけなんて
永瀬しかいないなんて
言わんといて？
悲しくなってまうやん。
俺やってずっとずっとひとみのこと大切に思ってんのに」
『……ごめんね』
悲しそうな紫耀を見て、自分がどれだけ酷い言葉を言っていたのか思い知らされた。
関係ないだなんて。
嫌いと言ったこともあった。
もう取り消せない辛辣な言葉たちを、紫耀はどんな想いで聞いたの？
紫耀の気持ちを想像すると胸が締め付けられる。
なぜこんな言葉を言ってしまったのだろう。
今更後悔が押し寄せた。
そんな私の表情に紫耀は気づいたのか、私の頭を撫でた。くすぐったくて、嬉しくて。
紫耀はいつも私を包んでくれるんだね。
『ありがとう』
「ん？いきなりどうしたん？」
そう言って、また紫耀は優しく微笑んだ。
暖かい記憶の中で生きていたんだと知らされた。
そして、暖かいのは今もなんだ。
紫耀は私にこんなにも優しい。
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ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» いつもありがとうございます(´；ω；`)本当に嬉しいです！自信がなくなったときのコメントってすごく力強いんです。かなり物語が急展開しました！そんなふうに言っていただけて本当に光栄です！文章も構成もこれからもっともっとパワーアップしていきたいです(*^^*) (2017年1月11日 23時) (
レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新待っていました。嬉しくて泣けそうですT^T 物語もいよいよのところまできましたね！ぴらみるふぃーさんの文章力と、お話の構成を考える能力、本当に尊敬しています！頑張って下さい〜（＾∇＾） (2017年1月4日 18時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 曲がり豆さん» コメントありがとうございます(*^^*)そういっていただけてすごく嬉しいです！かなり今ははらはらですよね！みんなどうなっていくの……。これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2017年1月4日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 炎天下さん» コメントありがとうございます！怖いですよね……廉がいつでも怖くてゾッとします……誰か廉を止めて…… (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - かりんさん» そう言っていただけてすごく嬉しいです！待っていただいて、本当に感謝しかありません！更新率悪くて本当にすみません泣 (2017年1月4日 0時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴらみるふぃー | 作成日時：2016年9月16日 19時
