ズットソバニイル Yuta (ページ6)

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6.特別な夜ページ6

両親が帰ると、ホッとする。

夕食を終え消灯時間になる頃、私はまだかまだかと思っていた。

昨日、彼は「明日も来る」なんてことは言っていなかった。でも、来てくれるような気がした。寝てしまったらそのまま何も言わずに帰ってしまいそうなくらい優しいから、絶対に寝ちゃいけない、と思い寝ないよう小説を読むことに集中した。

昨日と同じくらいの時刻、その扉はまた開いた。

にっこり笑いながらこちらへ来る彼に、私は喜びを隠しきれなかった。

『ゆーたっ！今日も来てくれたんだねっ！』

「当たり前じゃん」

『ありがとう』

「今調子はどう？」

『変わらないよ。でも、家族といると、ちょっと息苦しいかな。何喋っていいのか分かんないの』

「俺とはこんなにも普通に喋るのに？笑」

『うん。ゆうたは特別だもん』

「そっか、それなら嬉しいな。ねえ…またぎゅっとして良い？」

『そんなの聞かないでよ』

そう言うと、ゆっくり私を抱きしめた。昨日よりも、手を動かしながら抱きしめてくれた。私も力を入れながら抱きしめ返すけれど、抱きしめられる力が強くて、ちょっと苦しくなった。

溢れるような彼の「好き。大好き。俺だけのAだから」と言う妖艶な声に続くように、私も『好き、ゆーた、ゆーたっ』と囁いた。

彼がゆっくり首を動かしたかと思うと、そっと口づけされた。昨日は触れるだけだったのに、今日はくっついては離れてを繰り返した。そして、ほんの少し長いな、と思った時には、舌が私の唇の中に滑り込んできた。

キスの仕方なんてもうとっくに分からなくなっている私に、優しく「もっと力抜いて大丈夫だよ」と言ってくれる。

私の口の中で自由に暴れる舌が愛おしいと思う暇もなく、私は気持ちよさに支配された。脳が溶け出した。

そして、胸がゆっくりと揉まれて、2人だけの雰囲気は作られた。服の上にあったはずの手が、直接肌を触り揉みしだき、突起を弄った。

下にも手が伸ばされ、私は彼を欲しがった。

首には、チクリとした鈍い痛みを感じていた。