君に狂わされた恋車 Ren Sho

6.もう１つの片想い 紫耀side ページ6

紫耀side



ひとみとは小学校の頃から一緒に登下校している。
中学生のときにそのことでさんざん茶化された。
でも、俺は決して一緒に通うことをやめへんかった。





ひとみとの時間は一番大切なものだっただから。



ひとみを奪われたくなかったから。



もう随分と前に俺の中でのひとみの存在は、幼馴染なんてものじゃなくなってた。
気付いたら誰よりも大切な存在になっていて。

それが恋だと気付いたのは
確か中学に入って少し経った頃

周りの男子に茶化されてからやった。

その時初めて、自分の抱く感情が“恋”だと知った。

中学生になって初恋に気付くとか、俺ってどんだけピュアなんやろ。笑





.





今日いきなりひとみが何で付き合わへんの？って聞いてきた時は吃驚した。

完全に俺の恋心なんて見透かされてるもんやと思っとったから。

やっぱりひとみは鈍感や。


だから他の男からのアプローチも全く気付かへんのやろな。
ま、俺が阻止してるのもあるかもやけど。




他の男のアプローチを阻止するくらいなら告白しろよって思うかもしれんけど

そんな簡単に告白なんて出来ん。


やって、もしも告白して断られたら
今のこの関係も必然的に終わらせんとあかん。
それは絶対に嫌やねん。

第一、ひとみが俺のことをそういう風に見ている感じがせぇへん。

だから、今
俺はこの幼馴染っていう特別な存在でええ。











いつか必ずひとみを振り向かせるから。









ひとみに意味深なことを言うと、
興味が無いのか、
ふーん
なんて言いよった。


他の女子は絶対にこんな態度取らへん。
こういう本人は無意識な動作一つ一つが、俺をもっと溺れさせる。

だからなのか、関係無いのか、

余計にひとみが愛おしくて
髪の毛をくしゃくしゃってしてやった。

あぁ、ひとみの髪の毛は手入れされてて柔らかいな。
ずっと触っていたくなるような
1本1本が細くて繊細な髪の毛。

他の男に触れさせたく無いって思ってしまうのも事実。





すると、ひとみは負けじと俺の頭をくしゃくしゃってしてきた。







ホンマ、どんだけ可愛いねん。



ちょっと背伸びして手を伸ばしてる
その姿。







反則やんか。



ちょっと変態かもしれんな。


やばいな俺。









俺だけが、


ひとみのこういう姿を見ていたいねん。









他の男になんか、見せたくないねん。

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