36.全神経は ページ36
Your side
廉が私の薬指の輪郭をなぞった。
身体中の全神経が左手の薬指に集まったかのように、感触が伝わる。
廉「指も細くて綺麗」
『そ、んなこと、ないよ』
小さな声がやっと出た。
廉「肌、こんなに白かったんやな」
廉の右手が私の左手の甲を撫でた。
全感覚は左手の甲に集中する。
私の左手は、廉の両手でサンドされた。
すっぽり入った。
廉「やっぱり小さい」
私の手をぎゅっとしてきた。
恥ずかしくて
このままいたらどうにかなってしまいそうで。
廉の両手から左手を抜こうとした。
.
でも
ビクともしなかった。
何度抜こうとしても、全然動かない左手。
廉「抜けられへんの？」
コクリと頷く。
力無さすぎやろって廉は笑う。
『そんな、こと……ない』
また力を入れて抜こうとするけれどやっぱりダメ。
仕方なく
持っていたスマホを膝に置いて、
右手で廉の手を剥がそうとする。
『アレ……？』
右手も無力に終わった。
廉「右手使っても取れへんの？」
『いや、取れるはず』
なんて言ってさらに力を入れるけれど
少しも動かない廉の手。
廉が力を入れているようには全く見えないのに。
廉「離して欲しい？」
また、何も言わずにコクリと頷く。
.
すると一気に近づいて来た廉の顔。
廉と私の顔の距離僅か５センチほど。
反らせない目線。
少しでも動いたら、唇と唇が重なってしまいそうで
動けず。
びっくりして
動けず。
心臓の動きがどんどん早まっていくのを身体中で感じる。
でも、自分の頬が真っ赤になったのが分かった時
慌てて下を向いた。
下を向くと思い出す廉の整った顔。
廉「その表情
可愛いで」
私の髪の毛を滑るように触る廉。
その手はとても大きくて。
いつの間にか離されていた手で
真っ赤になった頬を包んだ。
頬は熱を帯びていた。
この一瞬でこんなにも熱くなっていただなんて。
それを廉は微笑んで見ていた。
私が余裕のないときでも、廉はいたっていつもと変わりはしない。
私だけが動揺して焦って。
廉は仕掛けて、私の反応を見て楽しんでいる。
まるで、廉の手のひらの上で転がされているような感覚になる。
.
.
.
.
「ひとみ…………」
どこかで、
そう小さく呟く声は私の耳に入るはずもなく。
公園の私たちを切ない瞳で見ていた人がいたなんて
思ってもみなかった。
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ぴらみるふぃー(プロフ) - はるちさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです(*^^*)これからも君に狂わされた恋車をよろしくお願いします！ (2016年10月24日 0時) (
レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
はるち - めっちゃ面白かったです♪これからも頑張れんれんo(^o^)o (2016年10月23日 23時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 絢さん» 本当にごめんなさい（；＿；）コメントを見落としていたことに今更気づきました（；＿；）こんなにも遅れてしまいすみません（；＿；）コメントありがとうございます！これからも楽しんでもらえると嬉しいです（；＿；） (2016年5月20日 15時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
ぴらみるふぃー(プロフ) - 真衣さん» コメントありがとうございます！ここからは私としてもすごく気に入っている展開です(*^^*)これからもよろしくお願いします！ (2016年5月1日 8時) (レス) id: 35f37a8100 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - すごく面白い展開になってきましたね！更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2016年4月30日 19時) (レス) id: 06f074385c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴらみるふぃー | 作成日時：2016年4月11日 2時
