君に狂わされた恋車 Ren Sho

27.恋と時間 紫耀side ページ27

紫耀side


『紫耀、もうご飯食べ終わったの？』

紫耀「おん。ひとみが心配やってん」

『ちょ、何それ』


ひとみが照れてる。
わ、可愛い。

紫耀「ひとみは今日誰と食べるんかな思ってさ」

本当はこんなに恥ずかしいこと言いたくないけど
永瀬に取られる前に

ひとみに俺の気持ち
気付いてもらわんとあかんから。


『今日ね
たまたま廉が屋上に来てくれたの。

だから廉と一緒に食べたんだよ』




グサリと刺さるひとみの言葉はあまりにも痛くて。

たった１日しか経ってへんのに

永瀬はもう

“昼ご飯を一緒に食べる”

なんてことをやってのけている。

永瀬は一昨日まで喋ったことすら無くて、俺は何年もずっと一緒に居るのに。

何で永瀬に出来て俺には出来へんねん。


恋愛に時間なんてもんは
関係あらへんってことやろか。



紫耀「…そか。なら良かってん。


あんまり永瀬に迷惑かけんなよ？」

『かけないよ！かけるわけないじゃん！』

ぷんすこするひとみをよそに、
俺は永瀬を見る。

こんなにも俺が優位に立ってるアピールしてんのに、全然動揺せえへんなんて。

すごい奴やな。








廉「全然かけられてへんで？

ひとみとおるとめちゃめちゃ楽しいねん。







あ、もしかして平野は






.






いつもひとみと一緒におって

迷惑やったん？」


紫耀「いや、そういうわけちゃうくてさ」





めちゃめちゃ攻撃的な奴や。

永瀬のこんな攻撃にさえしどろもどろしてしまう自分はなんて情けないのだろう。

こいつ、俺の心分かってんねやろな。

だから、敢えてこんなこと言うんやろな。



『ほんと、紫耀は失礼なんだから！』


廉「それに、今週の金曜日
ひとみの手作り弁当作ってきてもらうねん。

もう、今から楽しみやわ」

な、と言ってひとみと視線を絡める永瀬。

それを恥ずかしがって
やめてよ、恥ずかしいじゃん
なんていうひとみ。




やばい。
見てられへん。

なんでねん。

この短時間で、どうやったらそんなにも
進展出来んねん。


ひとみの手作り弁当？

それって俺だけの特権だったんちゃうん？
ひとみが他の男に弁当作ってくとか

ほんまなんやねん。

俺のひとみの中での存在が

こいつによって
小さくなっていくのが分かる。

わざわざそんなんを俺に教えるなんて。

“もうひとみはお前の女じゃない”
そう言いたいんか？

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