君に狂わされた恋車 Ren Sho

22.昼休み ページ22

Your side


昼休みを告げるチャイムが鳴ると
皆、いつものメンツで集まってご飯の準備をする。


私がいつも一緒に食べている相手は
もちろんハルなワケで。


でも今日そのハルはいない。
発熱で欠席している。

『誰と食べようかな』



他の女子のグループに入れてもらおうかな。

とか思ったけど
そんな勇気ないし。

いきなり違うグループに入って
そこのグループの話題についていける自信なんて無いし。




紫耀と一緒に食べようかな。

……でも、紫耀って男子からも女子からも人気だからすごく大勢のグループの中で食べてる。

迷惑はかけられない。





高校に入ってすぐの頃は
私と紫耀は2人で食べてた。

でも、紫耀はすぐに仲良くなれる性格だから。
いつの間にか紫耀は沢山の人を集めていて。
一緒に食べていい？って、
何人の人に言われたっけな。

断る理由なんてなかったから
二つ返事で
良いよ！
ってみんなを受け入れてた。

そしたら次第にクラスでも1番大きいグループになっていて。





.





私はいちゃいけないってことに気付いたのは、

グループの会話についていけなくなってからだった。

当たり前だけど
集まってくる人は、
私とじゃなくて
紫耀と仲良くなりたいって思っていて。
紫耀と友達になりたい人だけがグループを構成していて。


私の居場所なんてまるで無かった。




だから堪えられずにそのグループを出た。


紫耀は始め
私をすごく心配して

俺もあのグループ出てひとみと2人で食べる

って宣言してくれたけど

そんなことしてもらうなんて気が引けたから断った。

私のことなんかで
紫耀に迷惑かけるのだけは気が引けたから。

第一、紫耀が目的で集まったのに
その目的の人がいなくなっちゃうとか
周りの人が考えれば可笑しな話。


それで、そのあとは仲良くなったハルと
一緒に食べるようになった。

紫耀と離れたことでハルとも仲良くなれたんだから、

結果オーライかなって今は思ってる。








.






屋上へ行こう。

教室で
1人でご飯を食べるのは恥ずかしいから。
“ぼっち飯”って
笑われてるような気がして。


水筒と弁当を持つと屋上へ駆け上がった。

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