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年も明けて1月。
冬ならではの透き通った青空が広がっている。
大きく息を吸い込むと、あまりの空気の冷たさに頭がキーンとした。
廉とはあれ以来、一度も話していない。
席替えで接点がなくなった私たちは、見事なほどにお互いを避けてきた。
それとは対照的に、紫耀先輩は頻繁に私を遊びに連れ出しては、昔を思い出させるように楽しい思い出をくれた。
私も誘われるがままに紫耀先輩に付いて回って。
告白の返事は不自然なほどに催促されない。
休日にも関わらずレポートを提出しに来た先輩に連れられて大学まで来て、校門の外でぼーっと空を眺めていると、
「A」
先輩が帰ってきた。
「ごめんごめん、お待たせ」
「ううん。公園って言った?」
「そう。のんびりしよ」
公園に向かってゆっくり歩き始める。
「Aも春からまた俺の後輩か」
嬉しそうに頰を緩めた紫耀先輩。
「まず法学部入れてよかったな。俺が勉強教えたおかげだよ」
「素晴らしい先生だったよ。お世話になりました」
「うーわ、素直でなんか気持ち悪い」
「お礼言っただけじゃん」
ぺしっと叩くと、先輩はケラケラ笑った。
やけに上機嫌で、私まで気分が上がる。
休日の割に公園は空いていた。コーヒーを買い、湖の側のベンチに座った。
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紫奈(プロフ) - コメント失礼致します。お話とっても暖かく可愛く、どこか切なく、とっても素敵です。美月ちゃんとしょう先輩の関係も気になりますし、2人のその後が見てみたいので、ぜひ続編を書いていただきたいです。ご検討よろしくお願いします。 (2019年11月24日 0時) (レス) id: 968fec07e5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロタ(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます〜!機会があればその後の二人も考えたいと思います(^^) (2019年9月6日 10時) (レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こちらの作品大好きです!この2人のその後のお話も見てみたいです(*^_^*) (2019年9月5日 21時) (レス) id: 54e43fc953 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロタ(プロフ) - あやぴさん» 初コメントありがとうございます!人に気持ちを伝えるのは簡単なことじゃないんだなと私自身焦らされながら書いていました(笑)機会があれば、その先の二人にも会いたいですね!検討します(^^) (2019年9月5日 16時) (レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロタ(プロフ) - ひかるさん» わざわざコメントありがとうございます(^^)な、なんとマニアックな永瀬担…主人公はほとんど揺れずバッサリでしたね、恐ろしい!レンレンは永遠のリア恋枠なので純愛@高校生レンレンお届けできてよかったです☆ (2019年9月5日 16時) (レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒロタ | 作成日時:2019年8月18日 21時