熔けた恋に名前を 2

50 side Ren ページ6

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自分勝手でごめん。









何も言わずに傷つけてごめん。









でもそうでもせんと……これから先、君を守れる自信がないねん。









いつか先輩のところに戻ってしまうかも。









何もない俺から離れていくかも。









君のこと避けてないと、席替えもデートも、つらくて何も手につかなくなる。









「Aのどんなところが好きなの？」









「どんなところって………」









優しくて、可愛くて、自分よりも周りのことばかり。









大好きだった人とあんな形で別れても、悪口の一つも言わずアホみたいに想い続けて。









「言わん」









俺だけの秘密。









「Aにも本当に引退まで言わないわけ？」









「うん」









「変なところ真面目だよね」









最近の海人の口癖。











………変なとこ真面目だけど、弱っちい男やから。俺は。









「……先輩ともう付き合ってる？」









俺を怖がってるはずのAの呼出は怖いし、話の続きにはびびってるし。









「自分で聞きなよ」









“紫耀先輩とまた会ったの”









なぁ、A。あのときの君の震える声を……俺はどう受け取ったらいいんだろう。









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