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そう言って席を立った紫耀さんに、勝手な私は……近くにいて欲しいと思った。
「紫耀さん」
自分でも驚くほどに、自分から出た声は素直だった。
振り向いた紫耀さんは、その熱視線で私をぎゅっと捉える。
「出て行ったすぐ後、恵比寿の、あの……広場で、傘を差し出してくれた人がいて。その人がおうちでカフェをやってて、そこで働かせてもらってました」
途切れ途切れになりながら、自分の出せる精一杯の声量で話す。
簡潔にまとめた二言のあと、カチ、カチ、と時計の音だけが、沈黙の空間をなんとか取り持っている。
「……なんであんなところとぼとぼ歩いてたの？」
沈黙を破ったのは紫耀さんだった。
瞬時に蘇る、あの後ろ姿。思い出しただけで頭痛がする。
でも、紫耀さんには話そうと思った。
「………お店に、怖い人が来て。見た瞬間苦しくなって、仕事中だったんですけど、お店飛び出しちゃって……」
「怖い人？」
口に出すことで現実が現実になってしまうのが嫌で、怖いけど。
あの時の記憶だけは、抜き取ったように鮮明に思い出した。
その事実も、この気持ちも、なぜだか紫耀さんになら話せる気がした。
「あの人、私の叔父さんで─────」
霧がかかっていてよく見えなかったあの人影。
私に何度も拳を振り下ろして、「死ね」と言ったあの人影。
震える体で足を引きずりながら、誰にも見つからないように隅っこで眠った。
記憶の中の私は泣いていなかった。
目元に力を入れて、涙が溢れないようにして。
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ヒロタ(プロフ) - sentochihironさん» その通り！紫耀くんのあの腕に包まれれば怖いものなんて何もない！主人公ちゃんは155センチあたりの平均より少し小さめ、でもガタイの良い紫耀くんの隣にいると150センチくらいに見える設定で書いてます！sentochihironさんビンゴ！ (2019年10月19日 8時) (
レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
sentochihiron(プロフ) - はぁぁ！私も怖い夢を見た夜に慰めてくれる紫耀くんと同居したい！主人公ちゃんが切実に羨ましい。きっと主人公ちゃん、紫耀くんの腕の中にフィットするサイズ感で眠りにつくんだろうなぁ、、想像がつきます、この二人可愛い (2019年10月18日 22時) (レス) id: d075970b40 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロタ(プロフ) - 春さん» 9割5分毒でも女の子落としちゃうなんて…平野さん罪な男ですね！さすが(°_°) (2019年9月13日 23時) (レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
春 - すごいなんか好きです！こーゆードSだけど優しい平野紫耀様！続き楽しみにしてます！ (2019年9月13日 20時) (レス) id: 0096453748 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロタ(プロフ) - sentochihironさん» そうなんです〜！何と言っても見切り発車ですからね！(何回目)平野様に平伏すしかないですね(^^;)新作でもよろしくお願い致します！ (2019年9月10日 6時) (レス) id: 04477a7f36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒロタ | 作成日時：2019年9月9日 12時
