7章:3『訪問者』 ページ44
三月「いや…、外を見ていたら、怪しい奴が玄関のほうへ向かっているのが見えてさ…」
…あの時の、長身の男。
遠目からでも、ハッキリとわかった。
一織「怪しい奴って、どんな人でしたか。」
三月「え、それは…」
一織には、言わない方がいい。
アイツは少なくとも一織を狙っている。
三人が今日外出出来なくなった原因が、まさか直接この場に訪れるなんて。
これは意地ででも風邪を治さなくては。
三月「…仕希は大丈夫か？ずっと黙ってるけど…」
いつの間にか部屋の奥に突っ立っていた仕希は、なんとなく顔色が悪いようにも見える。
仕希「大丈夫大丈夫、ちょっと驚いちゃって。」
身振り手振りで誤魔化すが、実際本人はとても焦っていた。
石が投げ込まれてすぐ、犯人はまだ近くに居るかもと思った仕希は、窓から外を覗き込んだ。
しかしそこで視界に入ったのは、見覚えのある男。
学校で話しかけてきた、あの…
………。
いや、ただ近くを通っただけかもしれないし…。
一織「やはり、今日は静かに過ごしている方が良いのではないでしょうか。」
これには流石に、テレビに夢中だったナギも同意した。
三月「学生さんたちは大人しく課題でも進めておきなさい。」
環「えー」
一織「四葉さん、教えてあげますからこの際溜まっている課題を一気に終わらせてしまいましょう。」
不貞腐れる環は渋々頷いた。
三月「なら、今日は俺の部屋にみんなで集まって過ごすとかどうだ？」
一織「私は賛成です。兄さんが居た方が、四葉さんも仕希さんも、サボらず課題を進めると思いますし。」
環「サボらないしー」
文句を言う環だが、仕希は相変わらず静かに頷くだけだった。
三月「ナギは、俺の話し相手にでもなってくれよ。」
ナギ「なるほど、今日こそワタシのここなトークを…」
三月「出来れば他の話でお願いしたいかな。」
この場で話しているのもなんなので、とりあえず全員で三月の部屋へ向かう。
一織「…仕希さん、本当に大丈夫なんですか？」
一織の問いかけに、こんなにも至近距離なのに気づいていないらしい。
環「おーい、仕希も部屋から勉強道具持ってこいよー」
仕希「あぁ、うん、課題やるんだもんね。」
環に肩を揺さぶられて、ようやく気づいた仕希が部屋へ歩き出す。
心配は募るばかりだ。
見かねたその場の一人が、携帯でラビチャの画面を開いた。
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草津蓮哉(プロフ) - 欅さん» コメントありがとうございます！学業の関係で中々更新できていませんが、時間を見つけて少しずつでも更新していこうと思っております。推しは環と万理さんです…！ (2020年3月5日 7時) (
レス) id: ef06dcdedf (このIDを非表示/違反報告)
欅 - この作品に巡りあえて幸せです！ お忙しいとは思いますが、頑張ってください。応援してます。 推しは誰ですか？ 私は三月推しです！ (2020年2月4日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：草津蓮哉 | 作成日時：2018年5月30日 2時
